ブレッドボードラジオ学研電子ブロック

学研電子ブロック〜バーアンテナでブロッキング発振

 本体内蔵の中波ラジオ用バーアンテナを使ったブロッキング発振回路の実験をしました。発振音はイヤホンで聞きますが、中波ラジオで受信することもできます。加えて「金属探知機」の実験もしました。

回路集No.13「オーディオジェネレーター」

 トランスの代わりにバーアンテナを用いたブロッキング発振回路です。イヤホンから「プー」という音が聞こえます。音量はあまり大きくありません。バリコンを回すと周波数が変化します。容量が少ないほど (ツマミを右へ回すほど) 高い音になります。発振が弱いせいか、デジタルテスタでは周波数を測定できませんでした。耳で聞いた感じでは300〜500Hzといったところでしょうか。下右の回路図はトランスを使ったこれまでの回路と同じ形に書き直したものです。これを見るとこの回路は「タイプA」であることがわかります。

 図1a

 図1b

 この回路では発振出力が電波となってバーアンテナから発射されるので、中波ラジオをそばに置くと、イヤホンから聞こえるのと同じ音がラジオからも聞こえます。ちゃんと変調がかかった電波です。ラジオのダイヤルはどの位置でもOKですが、細かく見ていくと、数十kHzごとに信号が強いところと弱いところがあるようです。電波が出るというのはバーアンテナを使った回路の大きな特徴だと思うのですが、回路集の本ではこれに関して何もふれていませんでした。

 ゲルマダイオードの役割はたぶん「検波」だと思います。イヤホンをダイオードの前 (トランジスタのコレクタ〜エミッタ間) やバリコンの両端につなぐと、「キー」という小さい音しか出ません。矢印が左向きになっているのはなぜでしょう。試しに右向きに (イヤホン側をカソードに) してみると、この方が音が大きくなりました。でも何か理由があってこうしてあるのだと思います。ちなみに、下図 [1], [2] のように、バーアンテナの一次側にダイオードとイヤホンをつないでも同じように動作します。また、元の回路では一次巻線の中間タップを使用していますが、[3] のように端につないでも差し支えありません。音は少し高くなります。

 図2

回路集No.12「エレクトロニックすいみん機 (イヤホン式)」

 コンデンサを大きくして周波数を下げたものです。約3.2秒に1回、「カッ」という音が出ます。これもラジオで受信できます。「カッ」のときだけ電波が入ります。ラジオで聞くと「ジャッ」というような音です。C1を1μFにすると0.3秒周期の「カッカッカッ・・・」という音になります。

 図3

回路集No.11「断線警報機」

 検知端子間につないである線が切れると「ブー」という音が出ます。No.13の回路より低い音です。この回路も書き直してみました (下図右)。「タイプB」ですね。なお、No.13の回路もこの回路もバーアンテナの二次巻線が交差していますが、これは巻線の極性を合わせるためです。逆にすると発振しません。

 図4a

 図4b

光実験No.56「お宝発見! 金属探知機」

 これはブロッキング発振とは違うようですが、とりあえずここに入れときます。チョークコイルとコンデンサで弱い発振をさせておき、コイルに金属が近づくと発振が止まってLEDが点灯するという動作です。発振出力をダイオードで整流し、2石アンプを通してLEDをドライブします。一方でICアンプにも入力してスピーカーからブザー音を出します。

 図5a

 図5b

 使い方は、まず50kΩボリュームを右端へ回しておきます。本体の音量ボリュームは左端からちょっと回したくらいにしておきます (音がうるさいので)。電源をオンにするとLEDが点灯し、スピーカーから「ピー」という音が出ます。50kΩボリュームを少しずつ左へ回していくと、ある時点でLEDが消灯しますので、そこから少し右へ戻し、点灯する直前ぎりぎりのところにセットします。これで準備ができました。この状態で4mHのコイルのブロックの上に硬貨などの金属を乗せると、回路がそれを検知してLEDが点灯します。音の高さも変わります。実験では100円玉がよく反応するようでした。

 回路集のブロック配置図はC5 (10μF) の向きが違っていますのでご注意ください。