ブレッドボードラジオ電子工作の基礎知識電子工作関係の参考書

改訂 やさしい電子工作教室

 「改訂 やさしい電子工作教室」は、ラジオ、及びアマチュア無線に関連した自作回路について紹介する本です。ゲルマラジオからアマチュア無線用受信機、各種ICの使い方、電源装置にいたるまで、動作原理とともに詳しく解説されています。以下、目次にそって本書の内容を簡単に紹介します。なお、私が持っているのは2000年発行の旧版ですので、改訂版とは少し内容が違うかもしれません。

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改訂 やさしい電子工作教室

高田継男 ⁄ 中山昇 共著
2004年9月発行 B5変形判 192ページ
CQ出版社 定価2310円

第1章 準備編 (p.6)

1-1 電子工作の七つ道具 (中山昇)
電子工作に必要な道具の解説。ハンダごて、ハンダ、こて台、ニッパー、ドライバー、ラジオペンチ。
1-2 ハンダ付けに慣れよう (中山昇)
ハンダ付けの方法、悪いハンダ付けの例、ハンダ吸い取り線の使い方。
1-3 部品の取り付け (中山昇)
部品の定数の読みかた、端子の識別方法。

第2章 機能IC編 (p.17)

2-1 オーディオ・アンプ 386 (中山昇)
LM386 (NJM386) を使ったスピーカー・アンプの作り方。
2-2 3端子レギュレータ 317 (中山昇)
可変出力型3端子レギュレータ・LM317を使った直流安定化電源器の製作。
2-3 タイマーIC 555 (中山昇)
タイマーIC・555を使ったタイマー回路の製作。ボリュームで設定した時間だけブザーが鳴り続ける。
2-4 S-8081Bを使った長時間タイマー (中山昇)
セイコー電子工業のS-8081Bを使った長時間タイマー。IC内部に分周器があるので、10秒〜10時間のタイマーが作れる。
2-5 3端子レギュレータ 7805 定電流回路 (中山昇)
3端子の定電圧IC・7805を使った定電流回路。ニカド電池・ニッケル水素電池の充電器の製作。
2-6 オーディオ・パワーアンプ LM383 (中山昇)
ハンディ・トランシーバにつなぐオーディオ・アンプの製作。LM383は電源電圧13.8V時、4Ω負荷で5.1Wの出力が得られる。
コラム 可変抵抗器の種類
A型、B型、C型、D型の抵抗変化特性の違いとそれぞれの用途について。
2-7 OPアンプ 4580 (中山昇)
OPアンプIC・4580を使用したトランシーバー用マイクアンプの作り方。
2-8 パワーMOS FET 2SK2956を使った直流ダミーロード (中山昇)
12Vの直流電源やバッテリーの性能をテストするための放電装置。最大放電電流3A。パワーMOS-FET・2SK2956と3端子レギュレーターS81350を使用。
2-9 ニカド⁄ニッケル水素電池急速充電器 MAX712⁄713 (中山昇)
MAX712およびMAX713は充電器専用のIC。充電停止はデルタ検出方式。端子の接続を変えることによって、充電本数や充電電流を設定できる。
2-10 OPアンプ 741を使ったニカド電池放電器 (中山昇)
ニカド電池のメモリー効果をなくすために基準電圧まで放電させる装置。オペアンプ・741、3端子レギュレータ・7808、NANDゲートIC・4011他を使用。

第3章 ラジオ編 (p.51)

3-1 ゲルマラジオを作ってみよう (高田継男)
ミズホの並四コイルとポリバリコンを使ったゲルマラジオの製作。同調回路の原理。アンテナとアースについて。
3-2 ゲルマラジオを育てる (高田継男)
ゲルマラジオの音を大きくする工夫。トランジスタ1石の高周波アンプ、および低周波アンプ。倍電圧検波回路。ICアンプをつないでスピーカーを鳴らす。
3-3 やさしいICラジオ (高田継男)
ミツミLMF501Tを使ったICラジオの作り方。1石アンプやICアンプをつないで音を大きくする。コイルを工夫して選択度を改善する。
3-4 IC1個のスーパーラジオ (高田継男)
サンヨーのLA1600を用いたスーパーラジオの製作。スーパーの動作原理と調整法。
3-5 ラジオ用のループアンテナ (高田継男)
中波用ループアンテナの作り方、ラジオとの接続のしかた。

第4章 アマチュア無線機器編 (p.73)

4-1 ラジオでHF SSBを聞く (高田継男)
7.0〜7.1MHzの電波を中波520kHzに変換するコンバーターの製作。BFO付き。2SK192Ax3、FCZ 7MHzコイル、455kHzIFT、20pFx2ポリバリコンを使用。
4-2 短波ラジオでハムバンドを聞く外付けBFO (高田継男)
市販の短波ラジオにBFOを外付けしてSSBを受信する。2SK192A、セラミック発振子455kHz、ラジオ用2連ポリバリコンなどを使用。
4-3 簡単なアンテナ・カップラー (高田継男)
アマチュア無線用各種アンテナカップラーの回路と使い方。πマッチ回路、π–C回路。
4-4 簡単なVXO (高田継男)
周波数可変式の水晶発振回路。7MHz用1石VXOの製作。
4-5 モールス練習器と手動式符号発生器 (高田継男)
トランジスタ2石式のモールス練習器。トランスを使った1石発振器。LM3909Nを使った発振器。符号に合わせて穴を開けたカードをテスター棒でなぞると発振音が出るアイディア。
4-6 FOXの声アダプター (高田継男)
ハンディ機の外部マイク・スピーカー端子につないで自動で断続音を送信する装置。NANDゲートIC・4011Bによる発振回路を利用。
4-7 やさしいディップ・メーター (高田継男)
FET1石式のディップ・メーターの製作。同調回路に近づけるだけで共振周波数がわかる。テストオシレータの代わりにもなる。コイル、ダイヤル板は自作。2SK241。
4-8 やさしい7MHz受信機パートT (高田継男)
7MHz用ダイレクト・コンバージョン受信機 (DC受信機) の製作。ミズホVFO–7D、3SK59、ミズホMA–1、トランスST-21。
4-9 やさしい7MHz受信機パートU (高田継男)
シグネティクスのIC・NE602N⁄NE612Nを使ったDC受信機。BFOには前述のVXO回路を用いる。受信機の3Sについての解説。
4-10 やさしい7MHz受信機パートV (高田継男)
NE602N⁄NE612Nを使った7MHzDC受信機。局部発振にはミズホVFO-7Dを使用。
4-11 HF〜144MHzのプリアンプ (中山昇)
FET・2SK439を使ったプリアンプ。トランジスタ2石による送受切り替え回路付き。FCZハムバンドコイルの規格表。
4-12 温度で測る電力計 (40W, 4GHz) (中山昇)
終端抵抗の温度上昇を電力に換算してリグの出力を測定する装置。温度測定用IC・LM35DZを使用。
4-13 フレキシブル・マイク&VOX (中山昇)
同軸ケーブル5D-FBを使ったモービル用フレキシブル・マイク。NJM2072Dを使ったVOX回路。
4-14 受信機ミュート装置 (中山昇)
トランシーバーに信号が入感するとカーステレオが自動的に停止する装置。トランシーバーのスピーカー端子に生じた電圧をNJM2072Dで検出してリレーを動かし、カーステレオの電源を切る。
4-15 ACC電源スイッチ (中山昇)
車のキー・スイッチがACC (アクセサリー) のときにリレーを動作させてトランシーバーなどの電源をON⁄OFFする。使用部品は2SC1815x3、7Vツェナーダイオード、12V用リレーほか。
4-16 シール鉛バッテリー充電器 (中山昇)
補水などのメンテナンスが不要のシール鉛バッテリー用充電器。13.68V, 240mAで充電。定電圧電源用IC・TA7089Pを使用。
コラム プラスチック・ケースの加工 (中山昇)
最初は小さい穴を開け、だんだん大きくしていく。ラジオ用のツマミにドリル刃を取り付けると手回し式のドリルになる。
4-17 スペア・バッテリー切り替え装置 (中山昇)
無線機用のスペア・バッテリーを車に積んでおく。車が走行中は車のバッテリーと並列に接続して充電する。エンジンが停止すると車のバッテリーから切り離される。使用部品はタイマーIC・S-8081B、オペアンプLM358、DC12V用リレーなど。
4-18 オンエアー・モニター (中山昇)
トランシーバーが知らないうちに送信状態になっているのを防ぐ装置。送信機から漏れた電波を捉えてリレーを動かし、警告灯を点灯する。LM358、2SC1815、リレー。
Appendix プリント基板の作り方
感光基板の製作手順を写真で解説。