ブレッドボードラジオ電子工作の基礎知識

抵抗のカラーコードとE系列

 抵抗器のカラーコードの読み方、および抵抗値のE系列について説明します。

 写真1

抵抗のカラーコードの読み方

 固定抵抗器の抵抗値は、外形の大きなものを除いて、カラーコードとよばれる色帯の組合せで表示されているのが普通です。色帯の色は、それぞれきまった数字に対応しています。一般的なものは色帯が4本で、下の図のように左から第1数字、第2数字、乗数、許容差 (誤差) を表しています。現在部品屋さんで普通に売られている抵抗は誤差が5% (金色) なので、金色の帯が右側になるようにして読み取ります。第1数字と第2数字からなる2桁の数に乗数を掛けたものが抵抗値になります。乗数は、10の累乗の指数部分の数字を表しています。

 第1図

 上図の例では「茶黒赤金」ですから、第1数字と第2数字は「茶黒」で「10」、乗数は「赤」なので10の2乗すなわち100です。つまり「10×100Ω、±5%」となり、抵抗値が1kΩで許容差が5%の抵抗器ということになります。許容差が5%というのは、1kΩと表示してある抵抗器の場合、実際の抵抗値は950〜1050Ωの範囲にばらついているという意味です。

 下に、電子工作でよく使う抵抗値 (E6系列) のカラーコードを示します。実際の色帯の色はメーカーによって少しずつ違うので、紛らわしい場合はテスタで確認してみるのが一番です。0Ωの抵抗というのは単なる導線ですが、他の抵抗器と形をそろえたい場合などに使われます。

 第2図

色帯が5本の抵抗器

 誤差が1%の抵抗器などでは、色帯の数が5本のものがあります。この場合は左側の3つの数字に乗数を掛けた抵抗値となります。下図の例のように「茶赤黒橙茶」なら「12031」ですから、「120×1kΩ、±1%」となり、120kΩで許容差1%の抵抗器です。色帯が5本の場合、逆向きに読んでしまうおそれがあるので注意が必要です。今の例では逆から読むと「13021」となり、13kΩの抵抗と読めてしまいます。こうした間違いが起きないように、左側の色帯4本と許容差の色帯の間はほかより間隔を広く取ったり、あるいは許容差の色帯だけほかより太くしてあるとのことですが、ものによってはどちら向きに読んだらいいのか判断に迷うことがあります。

 第3図

カラーコードの覚え方

 カラーコードを覚えるのに、色と数字を語呂合わせにする方法が昔から知られています。下の表にその代表例を挙げておきます。全体にちょっと古くさい感じですが、これなら一発で覚えられますね。もっとも、電子工作のベテランの方々に言わせると、こんな方法でひとつひとつ数字を読み取っていたのでは上達はおぼつかないとのことです。「茶黒赤」という色の並びを見た瞬間に「1kΩ」と出てくるようにならないとだめなんだそうです。

 第4図

抵抗値のE系列

 パーツショップで普通に売られている抵抗器は、下記の「E系列」の数字の倍数になっています。パーツ屋さんのカタログで「10Ω〜1MΩ (E12)」と書いてある場合は、10Ωから1MΩの範囲で下のE12欄の数字の倍数にあたる抵抗値のものを揃えているという意味です。部品の種類をなるべく減らすため、こういう半端な数字の並びにしてあるようです。この表にないもの、例えば250Ωとか500Ωといった値の抵抗器は一般のパーツ屋さんには在庫していません。当ウェブサイトでやっているような初歩的な実験では、E6系列の抵抗で間に合うことがほとんどです。

 第5図

参考文献

 この記事を書くにあたり、下記の書籍を参考にさせていただきました。