ブレッドボードラジオゲルマラジオ

スパイダーコイルを使ったゲルマラジオ(その1)

 スパイダーコイルを使ったゲルマラジオを作りました。部品は主に科学教材社のキットのものを使用しました。電灯線アンテナをつなぐとよく聞こえます。

 完成写真1

スパイダーコイルについて

 スパイダーコイルというのは、下の写真のような巻き枠に巻いた平べったいコイルです。出来上がりがクモの巣のような形になるので、スパイダー・ウェブ・コイル、略してスパイダーコイルとよばれています。科学教材社のものは外径が87mm、放射状の羽根の根元部分の直径が32mm、厚さが1mmです。羽根の本数は15本です。材質は紙とプラスチックの中間のような感じです。昔風に言うと「ファイバー」でしょうか。

巻枠 巻き方

 巻きかたは、内側から外側へ時計回り(右回り)に巻いていきます。このとき羽根2本おきに手前→向こう側→手前と交互に線を掛けていきます。羽根の本数が奇数なので、隣り合った巻線が巻き枠の裏表に来ます。これにより巻線間の分布容量が減って性能の良いコイルになるんだそうです。私は羽根の先端にハトメラグを打ってコイルの端子にしました。巻き数は70回で、20回、35回、50回のところからタップを出しました。線径は0.5mm、これはキットに入っていたものをそのまま使いました。なお、スパイダーコイルは単体では図の方向に指向性を生じますが、ゲルマラジオでは長いワイヤアンテナをつなぐので関係ありません。

 スパイダーコイルの製作は、実際にやってみるとかなり面倒くさいです。羽根2本おきというのを間違えそうになるし、それに気を取られると何回巻いたか忘れてしまうし・・・。ちなみに、雑誌等の製作記事では羽根1本おきに交互に巻くというのが主流です。科学教材社があえて2本おきにしているのはそれなりの理由があってのことでしょうが、もし聞こえ方にそれほどの違いがないのであれば1本おきの方が楽に巻けそうです。

(追記。その後、2本おきに巻く理由が判明しました。→「スパイダーコイルはなぜ羽根2本おきに巻くのか」2008年7月20日。)

回路図と受信結果

 回路図

 回路図を上に示します。コイル以外は普通のゲルマラジオと同じです。検波ダイオードは35回目のタップにつなぎました。35回というのは巻数では半分ですが、スパイターコイルは外側へ行くほど直径が大きくなるので、実際はコイルの半分よりもアース側に近いところになります。電灯線アンテナをつないで聞いてみると、当地のローカル局3局(1107kHz、1224kHz、1386kHz)はいずれも実用的な音量で、混信なく受信することができました。

 コイルのどこにダイオードをつなぐのがベストかは使用部品や受信環境によって違ってくると思います。大ざっぱに言うと、アンテナ側に近いところにつなぐほど音は大きくなりますが混信も増えます。アース側に近いところにつなぐと音は小さくなりますが分離は良くなります。現在入手できるゲルマダイオードやクリスタルイヤホンを使う場合は、ある程度タップダウンした方が好結果が得られるようです。

実体配線図

 下に本器の実体配線図を示します。アース端子のところに3Pのラグ板を取り付け、これにダイオードをハンダ付けしました。また、イヤホンはジャックを用いています。

実体図 完成写真2