ブレッドボードラジオ発振回路の実験

非安定マルチバイブレータによるLED点滅回路

 非安定マルチバイブレータ(無安定マルチバイブレータ)によるLEDの点滅回路をいろいろ実験しました。電子工作の入門書には必ず登場するおなじみの回路です。

第1図
C1C2R2R3 LED1
点灯時間
LED2
点灯時間
点滅周期
100μF100μF10kΩ10kΩ 0.4秒0.4秒0.8秒
100μF100μF22kΩ22kΩ 0.9秒0.9秒1.8秒
220μF220μF10kΩ10kΩ 0.9秒0.9秒1.8秒
100μF100μF10kΩ22kΩ 0.4秒0.9秒1.3秒
100μF220μF10kΩ10kΩ 0.4秒0.9秒1.3秒

 第1図はマルチバイブレータによるLED2個の交互点滅回路です。
 図の定数で点滅周期は0.8秒になりました。つまり、LED1とLED2が0.4秒間ずつ交互に点灯します。点滅周期はC1,C2およびR2,R3の値に比例します。これらが大きいほど点滅がゆっくりになります。片側、たとえばR3やC2だけを大きくすると、LED2の点灯時間だけが長くなります。R1やR4は、少しぐらい変えても点滅周期には影響しません。また、CR定数が同じでも電源電圧を上げると点滅周期が長くなります。
 なお、LEDはTLR124という3mm径の赤色のものを用いました。以下の実験では特に断らない限り、すべてこのLEDを使っています。第1図の回路では片側のLEDをTLG124(緑色)に変えても点滅周期は同じでした。
 C1,C2,R2,R3の値と点滅周期の関係は上右の表のようになります。

 第1図の回路のブレッドボード上の配線と試作写真は下記の通りです。

実体図1 写真1

第2図,第3図

 第2図はLEDをエミッタ側に入れたものです。第1図の回路と同じように動作します。点滅周期も同じです。

 第3図は赤緑2色LEDをつないだ回路です。使用したのはカソードが共通のTLSG116という型番のものです。回路的には第2図と同じなんですが、1個のLEDが赤くなったり緑になったりするので、工作としては面白いかと思います。
 第2図と同じ定数にすると赤の点灯時間が長くなりました。RとGの端子を入れ替えても同じなので、LEDのクセなんだと思います。R2=10kΩ、R3=15kΩにしたら、ほぼ等分に光るようになりました。

第4図,第5図

 第4図はLEDの直列抵抗を左右共通にしたものです。同じように動作するかと思ったのですが、実際に組んでみると、点滅スピードがかなり速くなりました。第4図ではR2=R3=47kΩにしていますが、これでも点滅周期は0.5秒くらいです。

 マルチバイブレータは抵抗値によって点滅スピードが変化するので、第5図のようにR2とR3を2連ボリュームにすれば点滅スピードを連続可変にできます。
 あいにく2連ボリュームの手持ちがないのでこの回路は実際に試していませんが、固定抵抗器を付け替えて実験してみたところ、R2=R3=1kΩのときは1秒間に10回以上せわしなく点滅、R2=R3=100kΩのときは約4秒の周期でゆっくり点滅しました。

第6図,第7図

 第6図はベース抵抗に加える電圧を変化させて点滅スピードをコントロールするものです。
 ボリュームのスライダー端子がプラス側(回路図で上側)いっぱいの位置にあるとき、スライダー端子の電圧は3.0Vで、点滅周期は0.8秒でした。これは第1図の回路と同じ状態です。一方、マイナス側に回しきったときの端子電圧は1.4Vで、点滅周期は1.7秒になりました。この範囲では点滅周期は電圧に反比例するようです。
 R1をショートしてベース抵抗に加える電圧を1.4Vより低くしても、点滅周期はあまり変化しませんでした。1.0V以下にすると回路が正常に動作しなくなります。

 第7図はLED1とLED2の点灯時間の比率を可変にしたものです。
 ボリュームのスライダーをR2側へやるとLED2の点灯時間が長くなり、R3側へやるとLED1の点灯時間が長くなります。
 点滅周期(LED1とLED2の点灯時間の合計)そのものは、ボリュームの位置にかかわらず一定です。図の回路では0.5秒くらいです。

第8図,第9図

 第8図はLEDを1個だけ点滅させる回路です。左側のLEDを取り除き、R1を1kΩにしました。点滅周期は約1.2秒です。
 図の定数では点灯時間と消灯時間がほぼ同じですが、C1またはR2を大きくすると消灯時間が長くなり、C2またはR3を大きくすると点灯時間が長くなります。R1は470Ωから2.2kΩまで変えてみましたが、点滅周期は変化しませんでした。

 第9図は「エレ工房さくらい」のサイトに出ていたアイディアで、片側のLEDを電子ブザーに変えたものです。
 LEDの点滅に合わせて電子ブザーが「ピーピーピー」と断続して鳴ります。図の定数で1秒間に4回ほど断続しました。光と音が同時に出ると、アラームらしい雰囲気になります。
   手持ちの電子ブザーが6V用なので、電源電圧を6Vに上げ、他の部品の定数も変更しました。

第10図

 第10図はLEDの駆動用に別のトランジスタを用いる回路です。LEDが約1.6秒周期で点滅します。R5は4.7kΩから22kΩまで変化させても点滅周期等に変化はありませんでした。

第11図

 第11図はLEDをエミッタ側につけたものです。第10図と同じように動作します。

第12図

 第12図はTR3にパワートランジスタを使って電球を点滅させる回路です。コレクタ電流を多く流す必要があるので、R5を小さくしました。点滅周期は約1.4秒です。

第13図

 第13図はLEDがジワーッと尾を引いて点滅する回路です。「電子ホタル」などのタイトルでラジオ雑誌によく登場します。R5とC3で「ジワーッ」を作っています。C3が大きいほど長く尾を引きます。
 ホタルらしくするため、LEDを緑色(TLG124)にして、点滅周期も長くしてみました。周期は約7秒(3.5秒点灯、3.5秒消灯)です。
 この回路のブレッドボード上の配線図と試作写真を下に示します。

実体図13 写真13

第14図

 第14図はLEDをマイナス側へ持ってきたものです。第13図のままでLEDをエミッタ側につないでも点滅しませんでした。PNPトランジスタで試したらうまくいきました。

第15図

 第15図は「2色発光ホタル」です。左側にもホタル回路を設け、2色LEDをつなぎました。ジワーッと赤くなったり緑になったりします。
 ブレッドボード上の配線図と試作写真は下記の通りです。

実体図15 写真15

(以下、2005年8月12日に加筆)

第16図

 第16図はLEDをトランジスタのコレクタ-エミッタ間につないだものです。交互に点滅するのは同じですが、この場合はトランジスタがオフになった方のLEDが点灯します。点滅周期は1.0秒でした。

第17図,第18図

 第17図は片方のLEDだけを元の位置へ戻したものです。こうすると2個のLEDが同時に点滅します。周期は0.9秒でした。

 ついでに第18図のような回路も試してみました。2個のLEDは交互に点滅しますが、LED1は消灯時間の短い点滅、LED2は点灯時間の短い点滅になりました。また、LED1はパッと点灯してジワーッと消灯、LED2はジワーッと点灯してパッと消灯するように見えます。周期は約1.2秒です。

 (2005年8月2日 初稿)
 (2005年8月12日 第16図以降を追加)