ブレッドボードラジオ電源回路

電源トランスの負荷試験

 トランジスタ用の小型電源トランスについて、一次電流と二次電流の関係を調べました。

1. 実験に使用したトランス

トランスの写真 巻線仕様

 今回の実験に用いたトランスはS.E.LのSP-1501Wというものです。外観の写真と巻線仕様は上記の通りです。二次側は15V 0.1Aの巻線が二つ出ています。カッコ内は巻線の直流抵抗です。コア部分の寸法は横40mm、縦35mm、厚さ15mm、重さは170gです。

2. 単巻線での負荷試験

実験回路図1

I 2
ACmA
V 2
ACV
I 1
ACmA
0187
251811
501715
751719
1001623

 まず、二次巻線の片方に負荷抵抗(固定抵抗器と可変抵抗器を組み合わせたもの)と電圧計、電流計をつなぎ、二次電流(負荷抵抗に流す電流)を変えたとき、二次電圧と一次電流がどう変化するか調べてみました。
 実験結果は左の表の通りです。二次電流がゼロのとき、二次電圧は定格より2割ほど高くなります。また一次電流は7mA流れます。二次電流を定格値(0.1A)にすると二次電圧はほぼ定格電圧に下がり、二次電圧と二次電流の積に見合った分だけ一次電流が増加します。
 もう片方の巻線についても実験しましたが、同じ結果でした。

3. 2巻線を並列にしての負荷試験

実験回路図2

I 2
ACmA
V 2
ACV
I 1
ACmA
0197
251811
501815
751719
1001723
1501632
2001541

 次に、二つの二次巻線を並列につないで、2倍の負荷電流を流す実験をしました。
 二次電流を200mAにすると二次電圧は定格の15Vになり、一次電流は41mAになりました。無負荷時の一次電流を差し引いて考えると、二次電流が2倍になれば一次電流も2倍になります。
 ところで、二つの二次巻線を並列にする場合、各々の巻線の極性を合わせる必要があります。上の回路図の黒丸と白丸は極性の区別を表わしています。古いラジオ雑誌に極性の簡単な判別法が載っていました。下の図のように、仮に片方のリード線どうしをつなぎ、他方にAC電圧計をつないで一次側に通電します。電圧計の指示が0Vならばそのまま並列にすることができます。もし電圧が出た場合(今回の例では37Vくらい)は、そのまま並列にするとトランスが焼けるので、つなぎ方を反対にする必要があります。

巻線の極性判別法

4. 2巻線を直列にしての負荷試験

実験回路図3

I 2
ACmA
V 2
ACV
I 1
ACmA
0377
253515
503423
753232
1003141

 二つの二次巻線を直列にする実験もやってみました。二次電圧は2倍、一次電流も2倍になります。
 この場合も、両巻線の極性が合っていないと電圧が出てきません。

 (2005年6月10日)

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