ブレッドボードラジオ電源器の製作

トランジスタラジオ用電源器(その1)

 3端子レギュレータICを用いて、トランジスタ回路用の電源器を製作しました。出力電圧は1.5〜12V切替式、出力電流は0.3Aです。

 写真1

 回路図

 回路図は上記の通りです。ブリッジダイオードで整流後、レギュレータIC・NJM317Fを用いて出力電圧を安定化します。NJM317Fはパッケージがフルモールド(金属部分が露出していない)になっている以外は、LM317Tと同じだと思います。出力電圧は図中に示したように2本の抵抗で設定することができます。本器では6接点のロータリースイッチでRBを切り替え、1.5, 3, 5, 6, 9, 12Vの出力電圧を得ています。
 入力電圧と出力電圧の差が大きくなるとICで無駄な電力を消費するので、出力電圧が低いときはトランスのタップを切り替えて入力電圧を下げるようにしました。ICには放熱用に60x35mm、厚さ1mmのアルミ板を取り付けました。出力電圧を1.5Vにして電流を多く流すと放熱板はけっこう熱くなりますが、レギュレータICには保護回路も内蔵されていますので、まあ大丈夫でしょう。
 実際にラジオをつないで見たところ、特に問題なく動作しました。ただ中波ローカル局にダイヤルを合わせると同調ハムのようなノイズが少し出ます。これは市販の直流電源器をつないでも同じで、今のところ解決策が見つかりません。
 各レンジでの出力電圧は下記の通りです。抵抗器の誤差のためか、1%ほど高い電圧が出ます。負荷電流を増やしても、出力電圧はほとんど変化しません。最大出力電流は、トランスのAC定格の60%とするなら本器の場合0.3Aですが、実際には0.4Aまで流してもトランスの発熱はほとんど感じられませんでした。

レンジ1.5V3V5V6V9V12V
出力電圧 1.51V3.03V5.06V6.08V9.13V12.2V

 本器の内部の写真と実体配線図を下に示します。抵抗R3〜R7はロータリースイッチの端子にハンダ付けしました。ケースの大きさは間口80mm、高さ55mm、奥行き120mmです。

 写真2

 実体図

 本器の製作に使用した部品は下記の通りです。

 (2006年5月10日)