ブレッドボードラジオ電源器の製作

真空管ラジオ用30V電源器

 B電圧が30Vの真空管ラジオ専用の電源器を作りました。出力はB電源がDC30V、ヒーター電源がAC6Vと12Vの2系統です。

写真1

回路図

 上に外観の写真と回路図を掲げます。ケース本体の寸法は、間口90mm、高さ60mm、奥行き125mmです。

 トランスは12V,1Aのものを用いています。B電圧はAC12Vを半波倍電圧整流しました。ヒーター電源はトランスの2次巻線そのままですが、負荷電流が少ないと電圧が定格より高くなるので、ボリュームを入れて調節できるようにしました。ボリュームは5Ωくらいが適当なのですが、手に入らなかったので、10Ωのボリュームと10Ωの抵抗器を並列にしました。

 電源スイッチは主電源(S1)とB電源専用(S2)の2個付いています。ブレッドボードで実験するとき、回路をちょっと変更する際はB電源だけ切っておけば、変更後すぐに再スタートできて便利です。

 整流ダイオード(1N4005)の定格は400V,1Aです。耐圧は200Vもあれば十分ですが、たまたま400Vのダイオードが安かったのでこれにしました。無負荷状態でのB電源出力は40V近くになることがあるので、100Vのダイオードではちょっと不安です。ラジオをつなぐと30V程度に下がります。

ヒーター電圧
IhEh
6V12V
0A6.9V13.9V
0.15A6.7V13.4V
0.3A6.6V13.1V
0.6A6.3V12.5V
0.8A6.1V12.1V
1.0A5.9V11.7V
B電圧
IbEb
Ih=0AIh=0.5AIh=1A
0mA37.0V34.0V31.4V
5mA35.7V32.6V30.2V
10mA34.3V31.4V28.8V
15mA33.1V30.2V27.6V
20mA31.8V28.8V26.3V
25mA30.7V27.7V25.1V

 R1とR2はケミコンの放電用です。ラジオ本体に電源を組み込んでしまうならこういう抵抗は必要ありませんが、電源器単体でいろいろ実験する場合には付いていたほうが好都合だと思います。整流回路は四つ目のユニバーサル基板に組みました。

 負荷試験の結果は左の表の通りです。B電圧(Eb)はヒーター電流(Ih)を3通りに変えて測定しました。ヒーター電圧調整用のボリュームは0Ωにセットしています。

 下に、内部の写真と実体配線図を掲げます。

写真2

実体図

 B電圧が30Vの真空管ラジオについては、K氏のサイト「真空管オーディオ&ラジオ」に数多くの製作例があります。私などがすぐにまねして作れるほど簡単ではありませんが、記事を読むだけでもいろいろ勉強になります。

 最後に、この電源器に使用した部品のリストを掲げます。価格は通信販売でのだいたいの相場です。本機の製作では手持ちの中古部品などを活用していますが、すべての部品を新たに揃えるとなるとけっこうな金額になります。

 (2005年11月11日)

 電源器の製作 目次へもどる
 トップページへもどる