ブレッドボードラジオ電源器の製作

真空管ラジオ用電源器(その3)

 真空管ラジオ用の電源器を作りました。定格出力はB電源がDC120V,50mA、ヒーター電源がAC6.3V,1Aです。B電源もトランスを通したので、ACプラグの極性を気にせずに使えます。

写真1

回路図

B電圧ヒーター電圧
IoutEoutIoutEout
0mA137V0A6.43V
5mA134V0.15A6.35V
10mA132V0.30A6.28V
20mA128V0.45A6.18V
30mA125V0.60A6.09V
40mA122V0.80A5.97V
50mA119V1.0A5.85V

 上に外観の写真と回路図を示します。
 B電源はトランスの100V巻線をシリコンダイオードでブリッジ整流して直流を得ます。ブリッジダイオードは600V2Aのものが安く売られていたので使いましたが、400V1A程度で十分です。ヒーター電源はトランスのヒーター巻線からそのまま出しています。ヒーター回路のアースについて実験してみたかったので、2本とも独立させました。出力端子には無線機用の4Pマイクコンセントを用いました。スイッチは主電源用(S1)とB電源用(S2)の2つあります。

 電源トランスは三重県の西崎電機というメーカーに特注して作ってもらったものです。市販品に比べると割高になりますが、自分の希望通りの定格のものが手に入ります。
 出力電流と出力電圧の関係は左表の通りです。ヒーター電圧が低目に出るので、調整用のボリュームは設けませんでした。ケースの寸法は間口80mm、高さ55mm、奥行き120mmです。

 内部の写真と実体配線図を下に示します。立ラグ板の中央の端子はケースにアース(ねじ止め)されています。

写真2

実体配線図

 最後に、本器の製作に使用した部品の一覧表を掲げます。

( 追記 2006年3月13日 )
 6BH6-6AK6再生検波2球ラジオにこの電源器をつないでテストしてみました。ヒーター回路の片側は、電源ジャックのところでアースしても、真空管のヒーターを経由した後でアースしても、どちらでもハムやノイズに変化は見られませんでした。ヒーター回路を2本ともアースから浮かせると、ハムが出ました。
 B電源回路にトランスを用いてブリッジ整流したことで、ACラインからのノイズや検波管から出るノイズが減るのではと期待したのですが、結果はAC100Vを直接整流した電源器とあまり変わらないようで、ちょっとがっかりしました。結局、この電源器のメリットはACラインから絶縁できることだけです。
( 追記ここまで )

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