ブレッドボードラジオ発振回路の実験

PUTを使った実験(その2)

 N13T-1というPUTを用いたLED点滅回路や電子ブザーの実験をしました。

 第1図

 第1図はPUTを使ったLED点滅回路です。ラジオ雑誌に出ていた回路を少しアレンジしました。コンデンサCが充放電を繰り返すことによってLEDに流れる電流を断続するしくみです。
 図の定数で、約1.1秒に1回点滅(フラッシュ)します。点滅周期はCやR3の大きさに比例します。Cを100μFにすると点滅周期は2.3秒になりました。また、Cが47μFのままでR3を22kΩにすると点滅周期は2.5秒になりました。回路図では赤のLEDになっていますが、緑や黄色のLEDでも同じように点滅します。

 PUTのゲートGの電圧(R1とR2の接続点の電圧)は2.5V程度以上になっている必要があります。ここの電圧が低いとLEDが点灯しっぱなしになります。ブレッドボード上の配線図と写真を下に示します。

実体図1 写真1

 第2図

 PUTの内部は、PNPトランジスタとNPNトランジスタが第2図右側のように組み合わさった構造になっているそうです。ラジオ雑誌の製作記事では「PUTが手に入らなかったらトランジスタ2個でやってみよう」と書かれていました。そこで第2図左側の回路を試したところ、うまく点滅させることができました。

 VRは1kΩでないとうまくいきません。5kΩや10kΩのVRでは、消灯あるいは連続点灯のどちらかになってしまいます。1kΩのVRを使ってスライダーをマイナス側から徐々に上げていくと、LEDの状態は、点灯しっぱなし→点灯時間の長い点滅→消灯時間の長い点滅→完全に消灯、というふうに変化します。LEDが点滅するのはスライダ端子の電圧が2.5V前後の狭い範囲に限られるので、微妙な調節が必要です。

 ボード上の配線図と写真は下記の通りです。

実体図2 写真2

 第3図

 第3図はPUTを用いた電子ブザーです。LEDの代わりに8Ωのスピーカーがつないであります。発振周波数を高くするにはコンデンサを小さくすればいいのですが、それだけでは数十Hz以上になると音が消えてしまいます。もっと高い音を出すためには、R1とR2を小さくする必要がありました。

 発振周波数は第3図の回路定数で580Hz、R3を10kΩにすると1240Hzでした。ボード上の配線図と写真は下記の通りです。

実体図3 写真3

 第4図

 第4図は圧電スピーカを鳴らす回路です。最初、第3図の回路で8Ωスピーカーの代わりに適当な抵抗と圧電スピーカーを並列にしたものを接続してみましたが、どうも音が小さくてNGでした。ある本にR1とR2のつなぎ目からコンデンサを介して出力を取る「シグナル・インジェクタ」があったのを思い出し、第4図1のようにR2の両端に圧電スピーカをつないでみたところ、大きな音で鳴りました。R1とR2は電源電圧を2分割しているので、R1の両端にスピーカーをつないでも同じです。発振周波数はR3が22kΩのとき560Hz、10kΩのとき1190Hzでした。

 圧電スピーカーは構造的にコンデンサと同じと聞いたので、Cと兼用にできないかと思って試したのが第4図2の回路です。そのままでは音が高いのでR3を100kΩにしました。発振周波数はR3が100kΩのとき740Hz、47kΩのとき1510Hzでした。圧電スピーカーの「静電容量」は0.02μFくらいということでしょうか。
 第4図2の回路のボード上の配線図と写真を下に掲げます。

実体図4 写真4