ブレッドボードラジオ真空管・再生検波2

12AT7-6AK6 セパレート再生2球ラジオ (その2)

 セパレート式の再生検波回路について、カソードから再生をかけるタイプや、受信周波数が下がる欠点の改善などを実験してみました。検波管は12AT7、バーアンテナはSL-55GTです。
 どの回路でも再生は問題なくかかりますが、市販のバーアンテナとポリバリコンを使用した場合、受信周波数範囲を中波バンドにぴったり合わせるのは苦労します。

第1図

 第1図はバーアンテナの二次巻線を使ってカソードからフィードバックさせたものです。再生は通常のプレート帰還と同じようにかかるのですが、なぜか音が小さく、しかもハムが出ます。

第2図

 第2図は一次巻線のタップを利用してカソードから再生をかける回路です。これは正常に受信できました。しかし、第1図の回路も第2図の回路も、同調周波数が下がって中波の上の方が受信できません。受信範囲は第2図の回路で505〜1500kHzです。

第3図

 同調周波数が下がる欠点の対策として、バーアンテナの一次巻線と二次巻線を逆向きに直列接続してみました。同じ向きに直列接続すればインダクタンスが増加しますが、逆向きならばインダクタンスが減って同調周波数が高くなると考えました。
 結果は、受信範囲が530〜1400kHzになりました。下限は確かに上がりましたが、上限は第2図よりさらに下がってしまいました。たぶん、巻線の分布容量の影響でしょう。やっぱり素人考えではうまくいきませんね。

第4図

 受信周波数低下の件で「真空管オーディオ&ラジオ」のK氏からアドバイスをいただき、グリッドコンデンサを小さくしてみました。同調バリコンをコイルの1〜2間につなぎ、コンデンサの容量を22pFにすると、受信範囲は510〜1620kHzとなって、なんとか中波帯をカバーすることができました。コンデンサが22pFでも、特に音が小さくなったという印象はありません。
 Kさん、適切なアドバイスをありがとうございます。
 以前に3極管の再生検波回路をいろいろ実験したときも同調周波数が下がるケースがいくつかありました。それらの場合も、コンデンサを小さくすることで対応できるかもしれません。

第5図

 第5図は検波管と再生管それぞれのグリッドにコンデンサと抵抗を付けてみました。コンデンサは22pFにしましたが、それでも中波帯を全部カバーできませんでした。
 図のように、コイル1〜2間に270pFのバリコンをつなぐと受信範囲は500〜1530kHzになります。コイル1〜5間に270pFのバリコンをつなぐと545〜1650kHz、コイル1〜5間に340pFのバリコンをつなぐと480〜1600kHzとなり、どれもパッとしません。

 (2004年8月24日)

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