(2005年5月31日)
LED点滅用IC・LM3909を使った音出し回路を実験してみました。
第1図の左側の回路は、ICメーカーの資料に載っていた導通チェッカーです。スピーカーのインピーダンスが12〜16Ωと指定されています。8Ωじゃだめなんでしょうか。
一方、右側の回路は「ラジオの製作」に載っていたもので、8Ωのスピーカーと10Ωの抵抗を直列にしています。これなら手持ちの部品でできるので、早速試してみました。
テスト端子をショートすると、スピーカーからブーという音(周波数は約140Hz)が出ます。音量は導通チェッカーとしては十分です。テスト端子に低い抵抗をつなぐと音程が少し上がり、音量は少し小さくなります。テスト端子にデジタルテスタの電流計をつなぐと13mA流れました。ただし、電流計の内部抵抗のために音程が少し高くなります。
C1を4.7μFにすると発振周波数は280Hzに上がります。LED点滅回路と同様、発振周波数はコンデンサの容量に反比例するようです。
ところで、C2(0.1μF)は何のために付いているのでしょう。あってもなくても同じような感じなんですが。
第1図右側の回路のブレッドボード配線と完成写真を下に示します。回路図中のテスト端子はブレッドボードのソケット穴で代用できるので、特にパネル上に出すことはしませんでした。
第1図の回路のバリエーションを自分なりに考えてみました。
第2図の左側は、8Ωのスピーカーを2個直列にして「16Ωスピーカー」にしたものです。両方のスピーカーが同時に鳴るので、音が大きくなります。
メーカー資料に載っているICの内部回路を見ると、5番ピンと6番ピンの間には12Ωの抵抗がつながっているだけです。それならということで、第1図右側の回路のR2(10Ω)をIC内部の抵抗で代用してみたのが第2図右側の回路です。これでも同じように動作しました。
第1図や第2図の回路のR(1kΩ)を小さくすると発振周波数が高くなります。そこで、ボリュームを使って自由に音程を変えられるようにしたのが第3図の回路です。
ボリュームの抵抗値が最大のとき260Hz、最小のとき1520Hzを発振します。上と下で2オクターブ以上の音域があるので、「電子オルガン」的な遊び方もできそうです。消費電流は、ボリューム最大のとき11mA、最小のとき25mAでした。
ボード上の配線と完成写真は下記のとおりです。
第4図はメーカーの資料に載っていたモールス練習器です。親器と子器に分かれていて、友達と二人で「アマチュア無線ごっこ」ができる楽しい仕掛けですが、今回はICの動作を調べるのが目的なので、右側に示したように簡単な回路にして実験しました。
スピーカーはプラス側とマイナス側にそれぞれ8Ωのものがつながっていて、スイッチを押すと両方から音が出ます。発振周波数は、回路図の定数で約270Hzです。R1を小さくすると周波数が高くなります。またCを小さくしても周波数が高くなります。
消費電流は約15mAでした。これまでの回路と同じく、電流計を入れると動作状態が少し変化するので、正確な測定はできません。
前に実験したLED点滅回路で、コンデンサを小さくしてLEDを連続点灯すると発振周波数は数百Hzになります。これを直接音として聞くことができないかと思って試したのが第5図の回路です。
LEDを連続点灯する回路の2番ピンと電池のマイナスの間に圧電スピーカーをつなぎました。8Ωスピーカーに比べると小さい音ですが、ちゃんと鳴りました。周波数は約710Hzです。圧電スピーカーはICの8番ピンと電池のマイナスの間につないでも同じです。また、LEDがつながっていなくても音が出ます。LEDをはずすと周波数は620Hzに下がりました。