ブレッドボードラジオその他の実験と製作

自動点滅LEDの実験

 (2005年7月21日)

 自動点滅LED (自己点滅LED) の基本的な使い方についての実験レポートです。今回の実験に使用したのはパラライト社のL517URD-F(赤)、およびL517GD(緑)です。直径が5mm、定格電圧が5Vのものです。
 なお、自動点滅LEDの使用法については「エレ工房さくらい」のホームページに詳しい説明があるので、いろいろと参考にさせていただきました。

1. 基本回路

第1図

 自動点滅LEDは、見かけは普通のLEDと同じですが、LEDを点滅させるための回路が内部に組み込まれていて、電源をつなぐだけで点滅してくれる便利なLEDです。今回使用したものは定格電圧が5Vなので、上の第1図1のように5Vの電源(ACアダプタ)につなぎました。ストップウオッチで点滅周期を測ってみたところ、約0.44秒でした。周波数で言うと2.3Hzです。赤も緑もほとんど同じですが、両者を並列につないで点灯させてみると、ほんの少しだけ周期が違うことがわかりました。温度によっても変化するかもしれません。

 定格電圧は5Vですが、3Vでもちゃんと点滅しました。周期もほぼ同じです。逆に高い方はどうかと言うと、9Vぐらいまではそのままつないでも壊れることはないそうです(確認していません)が、LEDに付いていた取扱説明書には、抵抗を直列につないで電流を制限するようにと書かれていました。上の図の2番は、330Ωの抵抗を直列に入れて12Vの電源につないだものです。LEDに流れる電流は最大で約20mAに制限されます。

 さくらいさんのサイトの記事によると、自動点滅LEDに流れる電流は、点灯時には10〜20mAですが、消灯時には1mA以下になるそうです。ちなみに、1番の回路にアナログ電流計を入れると、針は4〜7mAあたりを往復します。
したがって、2番の回路のようにした場合、消灯時にはLEDに電源電圧(12V)がそのままかかることになります。そこでさくらいさんは、3番の回路のようにツェナーダイオードを使うことをすすめています。これなら点灯時も消灯時もLEDにかかる電圧はほぼ一定です。見た目の明るさや点滅周期は2番も3番もほとんど変わりがありません。

2. 自動点滅LEDと普通のLEDを同時に点滅させる

第2図

 第2図1は、自動点滅LEDと普通のLEDを直列にして6Vの電源につないだものです。これだけで両者が同時に点滅するようになります。第2図2のように電源電圧を高くすれば、LEDの数を増やすことができます。赤や緑のLEDならば、1個あたり2Vと計算すれば良いと思います。ただし、点灯時には電流が20mA流れる可能性があるので、それに耐えられるものを使う必要があります。
 第2図3は自動点滅LEDと電子ブザーを直列にしたもので、断続音のブザーになります。

第3図

 第3図はさくらいさんのサイトに出ていた回路で、自動点滅LEDによってトランジスタをオンオフさせる仕組みです。この回路のメリットは、普通のLEDに流す電流を調節できる(電流定格の小さいLEDでも使える)ことと、複数個のLEDを同時に点滅させる場合でも電源電圧を上げる必要がないことです。
 下に、3個のLEDを並列または直列にして同時点滅させる回路を示します。色違いのものを使って実験してみると、なかなか賑やかで楽しいです。

第4図

3. 自動点滅LEDと普通のLEDを交互に点滅させる

第5図

 第5図もさくらいさんのサイトに載っていたもので、自動点滅LEDと普通のLEDを交互に点滅させる回路です。R1〜R3の定数は私が適当に決めたもので、ベストではないかもしれません。自動点滅LEDが点灯すると、TR1はオン、TR2はオフとなって、普通のLEDは消灯します。自動点滅LEDの消灯時は逆の動作になって普通のLEDが点灯するという仕掛けです。
 自動点滅LEDの点滅は「点灯時間の短い点滅」です。したがって、普通のLEDの方は「消灯時間の短い点滅」になります。

第6図

 第6図1は普通のLED3個を同時に交互点滅させる回路です。これならPNPトランジスタ1個で実現できます。ただし普通のLEDは3個セットでないとだめです。1個または2個にすると不完全な点滅(完全に消灯しない)になってしまいます。
 第6図2はツェナーダイオードを使って普通のLED1個を交互点滅させる回路です。6Vのツェナーを使ったので、電源電圧は9V以上必要です。
 第6図3は普通のLEDをツェナーダイオードの代わりに入れたものです。6Vの電源で3個のLEDを同時に交互点滅させることができます。