コンデンサの容量値、許容差などを示す記号の読みかたについて書きます。
現在入手できるコンデンサは、外形の大きなもの以外は数字とアルファベットからなるコードによって容量値その他が表示されています。下の図はその代表例で、3桁の数字が容量値、後の英文字が許容差 (誤差) を表しています。容量は第1数字と第2数字からなる2桁の数に乗数を掛けたものになります。乗数は10の累乗の指数部分の数字です。単位はpF (ピコファラッド) になります。下図の例では「103」なので、10x1000pF=10000pFすなわち0.01μFということになります。許容差は後述のようにいろいろな文字が使われますが、「K」ならば±10%です。
部品屋さんで普通に売っているコンデンサはE6系列になっています。下に、その容量値とコードを示します。100pF未満の容量のものは乗数項がありませんので、数字をそのまま読めばOKです。10pF未満は1pF毎の区切りになっています。また1μFを超えるものは容量値を直接表示してある場合がほとんどです。
容量を示す3桁の数字に続くアルファベットは、許容差 (誤差) を表しています。下は許容差表示に使われる文字とその意味の一覧です。手持ちのコンデンサを調べてみたところ、J、K、M、P、Zのものを見つけました。また、10pF以下の小さいコンデンサは下右のように別の記号が使われます。私の手元には「5C」と「10D」がありました。
コンデンサを使うとき、容量値と並んで必ず知っておかなければならないのが定格電圧です。本を見ると、定格電圧を示す数字と文字のコードがあるようなのですが、私が持っているコンデンサにはそのようなコードが表示されているものはひとつもありませんでした。何も表示がないか、あるいは電圧値が直接表記されているもの (例えば「103M50」) だけでした。なのでコード表は省略します。また、容量値を示す数字の下に線が引いてあるものは定格電圧が50Vだと聞いたことがあります。手持ちのコンデンサも確かにそうなっています。
中古品のコンデンサで電圧の表示が何もないと困ってしまいます。一般に、容量が同じなら定格電圧が高いほど外形が大きくなりますが、同じ容量・電圧でもメーカーや製造時期によってかなり大きさが違うので、大きさだけから定格電圧を判断するのは危険です。
コンデンサは温度によって容量が変化します。特にセラミックコンデンサは変化が大きいので注意が必要です。コンデンサによってはこの変化率のランクが英文字で表示されていたり、あるいは頂部に色を付けて区別されている場合 (温度補償型コンデンサ) があります。下にその一覧表を掲げます。「-80ppm⁄℃」というのは、温度が1℃上昇すると容量が80ppmつまり0.008%減少するという意味だと思います (計算合ってますか)。手持ちのコンデンサには、B、D、E、Fの表示のもの、それと頭が黒く塗ってある22pFがありました。
下に、私が持っているコンデンサの中からいくつか実際の表示例をイラストで示します。定格電圧は購入時カタログに記載されていたものです。
この記事を書くにあたり、下記の書籍を参考にさせていただきました。