ブレッドボードラジオ電子工作の基礎知識

ブレッドボードの使い方(その2)

 ブレッドボードでラジオを製作する場合、バリコンやボリュームなどはちゃんとツマミで操作できるようになっていたほうが便利です。また、スピーカーやDC電源ジャックも必要です。私はこれらの部品をそれぞれ小さなアルミパネルに取り付け、必要に応じてブレッドボードを乗せたシャーシにねじ止めできる構造にしました。
 この章では、ブレッドボード用のシャーシとパネルの製作について紹介します。

1. ブレッドボード用シャーシ

 ブレッドボードEIC-801は裏に両面テープが付いていますので、まずブレッドボードよりひと回り大きなアクリル板に貼り付け(下の写真左)、それからシャーシとなるアルミ板にねじ止めします。シャーシに直接貼り付けてしまってもかまわないかもしれませんが、ブレッドボードの寿命(耐久性)がわからないので、念のため交換できるようにしています。
 シャーシは、100×120mmのアルミ平板と12×12×120mmのL字アングル2本からなっています(下の写真右)。平板にはブレッドボードを固定するための穴とL字アングルを取り付けるための穴が必要です。写真のものはそれ以外にもたくさんの穴が開いていますが、ここまでする必要はありません。ただ、バーアンテナをねじ止め式にする場合はそのための穴が必要です。L字アングルには1cm間隔でパネル取り付け用の穴を開けます。穴の大きさはすべて3mmです。

写真1

2. パネルに取り付ける部品

 部品付きのパネルとして最低限用意しなければならないのは、バリコン、ボリューム、スピーカー、DC電源ジャック(スイッチ付き)、ターミナル(赤黒)などです。
 ひとつのパネルの大きさは標準で高さ42mm、幅30mmにしていますが、バリコンは細かい調節ができるようツマミを大きくしたかったので、横幅が40mmになっています。また、スピーカー用のパネルは入手できるスピーカーの大きさに合わせます。シャーシにはイヤホンジャックを付けておいて、プラグ付きの外部スピーカーを用いるのも良いと思います。各パネルの下側にはシャーシにねじ止めするための穴を開けます。
 部品の取り付けは普通にアルミ板やプラスチックケースに付けるときと同じですので、説明の必要はないでしょう。各部品の端子にはスズメッキ線の端子の付いたリード線(立体ジャンパー線)をハンダ付けして、ブレッドボードに接続できるようにします。そのあたりは下の写真をご覧ください。上段左からポリバリコン、ボリューム、ターミナル(バナナジャック)、スイッチとDCジャック。下段左から5cmスピーカー、イヤホンジャック、真空管ソケットです。

写真2

 各部品パネルをシャーシに実装すると次の写真のようになります。
 ブレッドボードなら手軽にラジオの実験ができると言いながら、部品の予備加工、シャーシやパネルの製作など、面倒くさい作業についていろいろ書きました。でも、最初にひと通り作っておけば、あとは何十回でも使い回しができますので、長い目で見ればこちらのほうが楽だと思います。

写真3

3. その他

写真4  その他、ブレッドボードでの実験に必要なものとして直流電源器があります。電源器の自作記事も出していますが、市販の電圧切替式ACアダプタで十分です。電器店やホームセンターなどで数千円で購入できます。ただ、特にラジオの場合、乾電池とACアダプターとで感度やノイズの具合に差が出ることがあります。その確認のために、左の写真のようなものを作っておくと便利です。電池ケースにDCプラグ付きのリード線をハンダ付けしてブレッドボードのDCジャックに挿せるようにしたものです。

 また、電子工作にはテスタが必需品ですが、ブレッドボード上の回路の測定のため下の写真のようなテストリードを作りました。片方はスズメッキ線の端子、他方はテスタに接続できるバナナ端子が付いています。

写真5

 (2006年6月25日)