ブレッドボードラジオ発振回路の実験

3段の非安定マルチバイブレータ

 トランジスタ3石のマルチバイブレータで3個のLEDを順番に点滅させる回路を作ってみました。

ダイオードを追加する

 第1図

 回路は第1図の通りです。各トランジスタのベースに順方向電圧の低いダイオードを接続しました。このダイオードがないと、LED3個のうちの2個と、他の1個の交互点滅になってしまいます。このダイオードはゲルマニウムダイオードまたはショットキー・バリア・ダイオードが適しています。

 電源を入れると、LED1、LED2、LED3の順で約0.5秒間ずつ点灯しました。LED3が光った後はまたLED1に戻って同じ動作を繰り返します。ただ、よく見ると、2個のLEDが同時に光る瞬間があります。たとえばLED1が点灯する瞬間に次のLED2も一瞬だけ光ります。同様に、LED2が点灯する瞬間にはLED3が一瞬光ります。

 ブレッドボード上の配線図と試作写真を下に示します。

実体図1 写真1

 トランジスタのベースにダイオードをつなぐというアイディアは私のオリジナルではありませんが、発案者のご承諾を得てここに掲載させていただいております。

フルカラーLEDを使った回路

 第2図

 第2図は、3個のLEDをアノードコモンタイプの3色LED(フルカラーLED)に置き換えたものです。赤青緑のうち青のLEDは順方向電圧が高いので、電源電圧を4.5Vに上げ、赤と緑用の電流制限抵抗(R2とR6)を220Ωにしました。また、実際に動作させてみたところ、青の点灯時間が短く感じられたので、R5を15kΩにして調節しました。ボード上の配線図と試作写真を下に示します。

実体図2 写真2

「リング発振回路」

 第3図

 上記は「イーエレ」という通信販売サイトで紹介されていた回路です。第1図の回路よりシンプルですが、ちゃんと同じ動作をします。これはマルチバイブレータではなく、「リング発振回路」というそうです。

 上記の回路は部品の型番や定数を元の記事とは少し変えています。この回路で実験したところ、点滅周期は約1.8秒になりました。つまり各LEDが0.6秒間ずつ順番に点灯します。2個同時に光るということはなく、きちんと1個ずつ点灯します。また、元記事では電源電圧が6Vになっていました。3VではLEDが暗くてだめだとのことでしたが、私の実験では3Vでもまあまあの明るさで点灯しました。電源電圧が高いほど点滅周期が短くなります。

 ブレッドボード上の配線図と試作写真を下に掲げます。

実体図3 写真3

 この回路もフルカラーLEDでやってみました。下に回路図と実体配線図を示します。3V電源でもそこそこの明るさで発光したので、回路定数は変更していません。LEDをカソードコモン型のフルカラーLEDに換えただけです。点滅周期 (3色の点灯時間の合計) は2.2秒でした。青の点灯時間が若干短いようです。CR定数を調整するといいかもしれません。

 第4図

実体図4 写真4