このラジオは1980年代の中頃、学習参考書や辞典を出版している旺文社が「中一時代」という学習雑誌の年間予約購読者へのプレゼント品として配布したものです。だいぶ汚れていてしかも音が出ませんが、ちょっと珍しいと思ったのでここで取り上げることにしました。
上の写真が本体の外観です。このラジオには左の写真のようなヘッドホン(モノラル)が付属しています。残念ながらパッケージをなくしてしまったのですが、モデルは早見優さんで、このラジオを聴きながらローラースケートをしている図柄でした。「愛しのB級ラジオ博物館」によると、この種のラジオはほかにも「郁恵ちゃん」や「聖子ちゃん」など、いろいろなバージョンが存在するようです。
電源は単4電池1本です。写真では東芝のを入れてありますが、元々は香港製の乾電池が入っていました。ラジオ自体もそのあたりで作られたのかもしれません。
本体のサイズは縦70mm、横50mm、厚さ16mmです。
このラジオの回路図を上に示します。中身は2石レフレックスです。
注目すべきは検波ダイオードの出口が直結になっていることです。別項「1石レフレックスラジオ」のところで「直結はうまくいかない」なんて言い切ってしまいましたが、このラジオはちゃんと動作していました。う〜ん、もっと勉強しないとだめですね。このほか、音量ボリュームのつなぎ方もちょっと変わっています。
ダイソーの100円ラジオについて調べたときもそうでしたが、メーカー製のラジオを分解してみるといろいろ勉強になります。
現在は壊れていて音が出ませんが、ローカル局のほかに北京放送やモスクワ放送なども聞こえたと記憶しています。
下にプリントパターン面の写真と実体配線図を掲げます。