ブレッドボードラジオ真空管・レフレックスほか

6BE6-6BJ6-6AQ6-6AK6 4球スーパー

 6BE6で周波数変換、6BJ6で中間周波増幅、6AQ6で検波、6AK6で電力増幅する4球スーパーです。

回路図

 スーパーラジオを自作する場合はコイルをどうするかが大きな問題ですが、今回はTRラジオ用のものをそのまま用いてみました。これでも一応動作します。ローカル局はバーアンテナだけでも十分すぎるくらいの音量で聞こえ、短いアンテナをつなげば遠距離局もたくさん入感しました。しかも選択度は複同調式の高一ラジオより良好です。市販のポータブルラジオを本機のそばに置くと、局部発振回路からもれる電波が受信できますので、ちゃんとスーパーになっていると思います。

 しかしながら、いろいろ問題があります。

 まず第一に、これはある程度予想されたことですが、中波帯を全部カバーできません。今回のセットの受信範囲は530〜1460kHzです。OSCコイルのコアを上端まで抜くと上は1600kHzになりますが、今度は下が620kHzになってしまいます。。TRスーパー用のコイルとバリコンはプリント基板上に小さく組むことを前提に設計されているので、今回のような組み方をするとストレー容量の影響が出るのだと思います。そのことを見越して6BE6の発振部のコンデンサ(C3)は22pFという小さな値にしたのですが、それでも上まで届きませんでした。C3を通常の100pFにすると、受信範囲は530〜1250kHzとさらに狭くなります。

 次に、中間周波増幅回路が発振気味なのか、ダイヤル上の至るところでビートが出ます。それほど大きな音ではありませんが、放送の陰で始終ピーピー言っているので気になります。ローカル局を聞いてもキンキンした感じの音になります。6BJ6のカソード抵抗(R3)を大きくしたり、入出力をIFTの中間タップにつないだりしてみましたが、発振がおさまれば感度が悪くなってしまうという具合で、うまくいきませんでした。

 さらに、これは高一ラジオでもそうでしたが、感度が上がった分、ハムやACラインからのノイズがたいへん耳障りです。ただ、手元にある東芝製の5球スーパーもノイズに関しては今回のラジオと似たようなものです。スーパーともなれば、ある程度のノイズは仕方がないのでしょうか。

 そんなこんなで、現状ではちょっと実用にはなりません。某書籍の誤植じゃないけれど、今のままでは「4球スーパー」じゃなくて「4級スーパー」です。

実体図

写真

 (2004年10月17日)

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