ブレッドボードラジオトランジスタラジオ

2石レフレックスラジオ

 前に作った1石レフレックスラジオに1石の低周波アンプを追加して2石レフレックスにしました。一応スピーカーから音は出るのですが、周波数による感度差がひどいです。あれこれいじってはみたものの、あまり良くなりませんでした。
 とりあえず、これまでの実験の結果を報告します。

1. 1.5V電源2石レフレックス

回路図1

 第1図は1.5V電源の2石レフレックスラジオです。前に実験した1石レフレックスラジオにそのまま低周波アンプをつけた形です。これでもスピーカーが静かに鳴るので、ベッドラジオくらいにはなるでしょうか。
 TR2はPcが25Wのパワートランジスタ2SD2012です。ここに2SC1815を使うと音が小さくてNGです。また、外部アンテナをつないで音量を上げようとすると、今度は音が歪んでしまいます。やはり、電源電圧が1.5Vでは限界があるようです。

2. 3V電源2石レフレックス

回路図2

 第2図は3V電源の2石レフレックスラジオです。R1とR3の抵抗値を2倍にし、出力トランスをST-32にかえました。TR2は2SC1815でOKです。
 電圧を3Vにすると、音量的にはなんとか実用になるレベルになります。しかし、このラジオは周波数によって感度に差があります。当地のローカル局は1107,1224,1386kHzの3局ですが、このうち1107kHzの局だけがやけに強くて、あとの2局は弱いです。

 ブレッドボード上の配線図と完成写真を下に示します。

実体配線図2 写真2

3. 9V電源、直結

回路図3

 第3図は電源電圧を9Vにしたものです。TR1とTR2を直結にして、TR2のエミッタからTR1にバイアスをかけています。また、音量ボリュームをつけました。

 最初、RFC(L2)を前と同じ2mHにしたのですが、周波数による感度差がさらに目立つようになりました。1107kHzの局はものすごく強くて、音量ボリュームを半分以下に絞らないと音が歪んでしまいます。一方、1224kHzと1386kHzの局は、ボリュームを最大にしても小さな音でしか聞こえませんでした。
 これは、RFCが特定の周波数で共振を起こしているのが原因だと考え、RFCの値をいろいろ変えてみたところ、インダクタンスの小さいコイルをつなぐと高い周波数の感度が少しアップすることがわかりました。ただ、コイル単独では発振してしまうので、並列に抵抗をつなぎました。この抵抗の大きさによっても聞こえ方が変わるので、RFCの値に合わせて調整する必要があります。

 そんなこんなで、試作機では470μHと10kΩにしました。これでもまだ1107kHzの局が極端に強いことに変わりはありませんが、他の2局もそこそこ聞こえるようになりました。それと、ちょっとキンキンした感じの音質なので、C4を大きくしました。

 ところで、実験をしていく中で、ブレッドボードを載せているアルミシャーシに手を触れると高い周波数の局の音が大きくなることに気がつきました。こういうスタイルに組んでいることも、感度差を生じる原因のひとつなのでしょうか。普通にプリント基板に配線してプラスチックケースに入れれば、案外すんなりとうまくいくのかもしれません。

 ブレッドボード上の配線図と完成写真は下記の通りです。

実体配線図3 写真3

4. 9V電源、FET使用

回路図4

 第4図は、FETを使った1石レフレックスラジオ(別項「1石レフレックスラジオ」の第5図)を9V電源にして、後に1石低周波アンプを付けたものです。

 やはり1107kHzの局が強いですが、第3図の回路ほど極端な感度差はありません。1224kHzと1386kHzの局の音量は第3図のラジオと同じくらいですが、1107kHzの局がおとなしくなった結果、3者のバランスが取れてきた感じです。音質も、第3図のラジオよりは聞きやすい音です。と言っても、ちっぽけなスピーカーなのでそれなりの音ですけど。
 RFC(L2)の部分は前作にならって小細工をしましたが、2mHのチョークコイルだけにしてもそれほど違いはありません。

 ブレッドボード上の配線図と完成写真は下記の通りです。

実体配線図4 写真4

 (2005年1月8日)