ブレッドボードラジオ真空管・再生検波1

6BH6-6AK6 2球短波ラジオ

 6BH6-6AK6 2球ラジオのコイルをFCZ9MHzに換えて短波を聞いてみました。昔風に言うと「0-V-1」です。

回路図

 2mのワイヤアンテナをつなぐと5.7〜15.9MHzが受信できました。感度はなかなかのもので、朝から夜までワッチすれば100局近く入感します。やはり低い周波数は少し聞こえにくいようですが、中波ラジオのような極端な感度差はありません。49mbや41mbもけっこう聞こえます。
 選択度は、ストレートラジオにしてはまあまあではないかと思います。強力な放送でも100kHzも離れればほとんど気にならなくなります。その分同調はかなりシャープで、270pFのバリコンだけではチューニングしづらいので、並列に20pFのスプレッドバリコンを入れました。

 再生回路は中波のときと同じです。本を読むと、この方式は再生つまみを動かすと同調がずれるので短波では実用にならないと書いてあります。しかし、実際に受信してみると特に不都合は感じませんでした。同一のメーターバンド内では、再生バリコンは一度調節すればその後はほとんど動かす必要はなく、スプレッドバリコンだけでチューニングができます。中波(バーアンテナ)のときより少ない容量で再生発振が起こるので、再生バリコンはスーパー用親子バリコンのOSC側(65pF)を用いました。

 安定度はかなり良好です。普通の放送は一度ダイヤルを合わせれば1時間くらいはそのまま受信できます。7MHzのSSBの復調時はさすがにじわじわとピッチが変化していきますが、スプレッドダイヤルで十分フォローできます。ボディエフェクトもほとんどなく、落ち着いてワッチに集中できるラジオです。

 なんだか自画自賛の言葉を並べてしまいましたが、これまで作った真空管ラジオの中で、初めて、成功したという実感の湧くラジオになりました。AGC機能がないのでフェージングの影響をもろに受けてしまうといった欠点もありますが、考えようによっては、刻々と変化する短波の生の姿を捉えているとも言えます。

実体図

写真

 (2004年7月22日)

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