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中国のICスーパーラジオ "世界XS402F"

 中国の「世界XS402F」という中波用ICスーパーラジオについて書きます。別項「世界BS402A」および「世界XS416」とともに3台1000円でネットオークションで購入しました。すべて元箱入りの未使用品です。手頃な価格と思ったんですが、私以外には誰も入札していませんでしたので、これでもまだ高いのかもしれません。このラジオもXS416と同じくTA7641を使用した1チップICラジオです。

外観

 写真1

 上がXS402Fの外観の写真です。よくあるポケットラジオのスタイルをしています。外形寸法は幅65mm、高さ120mm、厚さ25mmです。電源は単3電池2本の3Vです。あとで書くように回路はXS416と同じなんですが、こちらの方が感度が良いように思います。ただし、その代償ということか、バンドの上の方では放送を受信すると小さくビートが出ます。前のXS416もちゃんと調整すればこのラジオと同等の感度になるかもしれません。

 裏ブタやプリント基板の固定にはネジが1本も使われておらず、すべてプラスチックケースの爪にパッチンとはめ込む方式です。

 写真2

回路

 図1

 上記がXS402Fの回路図です。一部のCR定数以外はXS416と同じです。違うのは、説明書添付の回路図どおり、現物にも東芝のTA7641が使われているところと、イヤホンジャックが付いていることくらいです。バーアンテナL1の二次巻線が交差していますが、現物がそうなっていたのでそのように書きました。どちら向きでも同じだと思います。

 説明書の回路図にはない30kΩの抵抗 (R3) がICの6番と電源プラスの間に追加されているのもXS416と同じです。ただ、XS416ではこの抵抗はプリント基板の裏側から付いていて、いかにも急遽追加したという感じでした。それに対し、本機では初めからR3用にプリントパターンが作られていて、普通に基板の表側から取付けられています。この抵抗はどうしても必要ということなのでしょう。

実体配線図

 下に、プリント基板の写真と実体配線図を掲げます。実体配線図は基板表側 (部品取付け面) から透視した形で書きました。

図2 写真3

取扱説明書

 図3

 上はこのラジオの取扱説明書です。あたり前ですが、中国のラジオなので全部中国語です。でも漢字を日本のものに直すと何となく意味がわかるので、以下に書き直してみました。

世界牌XS402F集成電路収音機 説明書 (牌=〜印, 〜マーク)

一、主要技術性能
1. 頻率範囲 526.5〜1605.5kHz
2. 中頻頻率 465kHz
3. 霊敏度 小於6mV⁄m (於=〜より)
4. 輸出功率 額定不小於50mW
5. 電源電圧 直流3V、5号電池二節
二、使用説明
1. 左上方為電源開閉兼音量控制電位器、如要把電源閉断、可把電位器沿順時針方向旋転、直至聴到開閉閉断的声音為止。 (把=ツマミ)
2. 右上方為選台撥盤、将撥盤調至所需収聴電台位置。 (撥盤=ツマミ, ダイヤル)
3. 左側中置耳器挿座、挿入耳器時機内喇叭即自動断閉。 (耳器=イヤホン、喇叭=ラッパ, スピーカー)
三、電池放入方法
先開後蓋、在機殻的底部標有 "▽" 標記的部分用手指按下、開沿箭頭所方向拉出後蓋、把5号電池二節、按後蓋上標記放入、注意正、負極不要接錯、然後恢復原状。 (按=押す、箭頭=矢印)
四、注意事項
如発現声音変小或失真時、請換電池、当収音機長期不要時、請取出電池。電池的濁液会損壊収音機。

上海無線電三十五廠 斜土路630号