タイマーIC・NE555による無安定マルチバイブレータとフルカラーLEDを組み合わせて各種の色を表現する実験です。光実験回路集No.22〜29「フルカラーLEDランプで色作り」を参考にしました。
上記は赤 (R) と緑 (G) を同じ時間交互に点灯させる回路です。ある程度高速で点滅させると、ふたつの色が混ざって黄色に見えます。IC・555は無安定マルチバイブレータとして動作します。1周期のうちIC出力がH (オン) になっている時間の割合をデューティ比といいますが、回路集の説明によるとデューティ比は下記の式で求められます。
上記の回路定数では約50%です。つまりICの出力はH (オン) の時間とL (オフ) の時間が等しくなります。ICの出力がHのときはTR1が導通し、コレクタの電位が低くなるので、LEDの赤が点灯します。一方TR2はベース電流が流れないのでオフとなり、LEDの緑は点灯しません。逆にICの出力がLになると、TR1がオフ、TR2がオンになり、赤が消えて緑が点灯します。このように赤と緑が交互に点灯します。
ICの発振周波数は実測で約100Hzでした。これくらいの周波数になると人間の目にはどちらも連続点灯しているように見えます。結果的に両方の色が混ざって黄色く見えることになります。C1を10μFくらいにすると周波数が下がり、2色が交互点滅している様子がわかります。
下左にブロック配置図を示します。なお、C1を10μFに変えて実験するときは下右のようにしてください。C1のブロックだけを入れ替えるとコンデンサの極性が反対になってしまいます。
上記と同じ回路で赤 (R) と青 (B) を交互点滅させてみました。この場合はマゼンタ (赤紫色) になります。
緑 (G) と青 (B) の交互点滅もやってみました。LEDの色はシアン (青緑色) になります。
1周期の2⁄3の時間赤を点灯、残りの1⁄3の時間緑を点灯させる実験です。R1とR2をともに47kΩにして先の式でデューティ比を計算してみると、
となります。・・・・ちょっと変ですね。これだと赤の点灯時間が1⁄3、緑の点灯時間が2⁄3ということになります。でも実際の動作は逆で、赤の点灯時間が長くなっています。あらためていろいろな資料を調べてみたところ、ICのデータシートをはじめとして多くの書籍やインターネットサイトにはデューティ比の求め方として上記の式が出ているのですが、そんな中、海外のあるウェブサイトには違う式が出ていました。
これならデューティ比は66%になり、実際の動作に合います。デューティ比の定義が2種類あるということでしょうか。学研の回路集の言うように、全周期のうち出力がHになっている時間の割合をデューティ比とするなら、後者の式が正しいことになります。最初の実験のようにR1がR2に比べて十分小さいときは、どちらの式で計算してもデューティ比は50%に近くなります。
ともかく、上記の回路では赤と緑の点灯時間の比率が2 : 1になり、結果LEDはオレンジ色に光ります。マルチバイブレータの発振周波数は約120Hzでした。
点灯時間の比率を逆に、つまり赤1⁄3、緑2⁄3にすると、LEDは黄緑色になります。
赤を常時点灯し、緑はICの出力につないで1⁄2の時間点灯する回路です。トランジスタは1個だけ使います。LEDは赤と黄色の交互点滅になりますが、全体としてみると赤の点灯時間が緑の2倍なので、先の「赤2⁄3点灯+緑1⁄3点灯」と同じく、LEDはオレンジ色になります。
これは「赤1⁄3点灯+緑2⁄3点灯」と同じことなので、LEDは黄緑色になります。
赤と青を1組とし、それと緑を1⁄2ずつ交互点灯させる実験です。周期を遅くすると、LEDはマゼンタと緑の交互点滅をしていますが、高速で動作させると白になります。・・・・たぶん白になると思います。私の実験ではややピンクがかった色でしたが。
上記とは組合せを変えてみたものです。これも同じく淡いピンク色になりました。