ブロックキング発振回路による「導通テスター」の実験をしました。測定したい2点間にテスト端子をあてると、導通があれば「ブー」という音が出ます。2点間に抵抗があるとその抵抗値によって発振音が変わります。
「タイプA」の発振回路の電源マイナス側にテスト端子を付けた形です。テスト端子をショートすると約720Hzで発振します。
テスト端子間の抵抗値によって音がどう変化するか調べました。最下段のブロック配置を下の図のように変更し、トランジスタのエミッタ〜電源マイナス間に低い抵抗のブロックを挿入します。各ブロックは表中に示した向きに挿します。実験の結果、抵抗値が大きいほど音が低くなることがわかりました。
発振音をスピーカーで聞くタイプです。発振周波数は270Hzでした。C1が0.01μFから0.005μFに変わっているのは、周波数が低くなりすぎるからだと思います。ちなみにC1が0.01μFのままだと周波数は170Hzになりました。この回路はスイッチオン直後は音が低く、だんだん高くなって約2秒後に一定の音程に落ち着きます。
ところで、両方の回路ともトランジスタのベース回路に2本も抵抗が入っているのはなぜでしょう。これらの抵抗をショートすると出力周波数が下がるので、ひとつには音程の調節のためだと思いますが、R1やC1でも周波数を調節できることだし、少なくとも1kΩの抵抗は必要ないと思うのですが。
下の表は、R1, R2, R3を変えたときの周波数の変化のようすです。C1は0.005μF固定です。
R1 | R2 | R3 | 周波数 |
1MΩ | 1kΩ | 4.7kΩ | 270Hz |
1MΩ | 0Ω | 4.7kΩ | 260Hz |
1MΩ | 0Ω | 0Ω | 170Hz |
560kΩ | 0Ω | 0Ω | 300Hz |
560kΩ | 0Ω | 4.7kΩ | 470Hz |
560kΩ | 0Ω | 10kΩ | 610Hz |
これは発振周波数を決める抵抗を連続的に変化させて音階を出そうというものです。回路図で可変抵抗器で示した部分は、紙に鉛筆で細長い長方形を描き、テスターリードでその上をなぞって音を出します。発振回路は「タイプC」になります。
鉛筆で書いた抵抗を試す前に、部品ブロックの抵抗をつないで周波数を測定してみました。抵抗値が大きいほど周波数が低くなります。
抵抗値 | 80kΩ(40V) | 47kΩ | 10kΩ | 8kΩ(4V) | 4.7kΩ |
周波数 | 270Hz | 410Hz | 950Hz | 1010Hz | 1120Hz |
下は鉛筆で書いた抵抗で実験している様子です。ノートにHBの鉛筆で長さ80mm、幅16mmの長方形を描きました。ムラができないように真っ黒に塗りつぶす必要があります。電子ブロックに付属のテスター棒を使い、片方を右端の部分にしっかり触れるように固定します。もう片方のテスター棒で抵抗体の上をなぞっていくと、音が高さが変化します。実験では周波数が440Hzになるところを「ラ」にしました。低い「ド」から高い「ド」までの長さは50mm、高い「ド」から右端までの長さは14mmです。曲を演奏した感じは、音色も、また音程が不安定なところも、草笛に似ています。