学研電子ブロックを使って、LED・発光ダイオードの性質に関する基礎的な実験をしました。回路集に載っている下記の記事を参考にしました。
上記はLEDを点灯させるときの回路です。必ず電流制限用の抵抗を直列に入れる必要があります。この抵抗の大きさによってLEDに流れる電流の大きさが決まります。流れる電流が多いほどLEDは明るく光ります。赤および緑のLEDそれぞれについて、電流制限抵抗R1の値を変えたときのLED両端の電圧 (順方向電圧) と電流値を測定しました。560Ωの抵抗は「0.4V」と表示されたブロックです。
R1(Ω) | 赤色LED | 緑色LED | ||
電流(mA) | 電圧(V) | 電流(mA) | 電圧(V) | |
200 | 20.9 | 1.81 | 19.0 | 2.19 |
560 | 7.77 | 1.72 | 7.28 | 2.01 |
1k | 4.95 | 1.69 | 4.10 | 1.94 |
4.7k | 0.93 | 1.63 | 0.89 | 1.84 |
上記のように、流れる電流が大幅に変化しても、LED両端の電圧はそれほど変化しません。これがLEDの特徴です。赤より緑のほうが少し電圧が高いです。抵抗を200Ωより小さくすると電流が流れすぎてLEDが壊れると思います。抵抗が4.7kΩのときは、かろうじて光っているという程度の明るさです。
下記は赤緑2個のLEDを直列にして6Vの電源につないだものです。電流制限抵抗は1個点灯のときと同じ200Ωにしたので、LEDに流れる電流は約半分になります。そのため、1個のときほど明るくは光りません。緑LED両端の電圧は2.1V、赤LED両端の電圧は1.7Vでした。
下は2個のLEDを並列に接続した回路です。それぞれのLEDに個別に電流制限抵抗を入れます。LED1個の点灯回路をそのまま2つ並べたような形です。どちらも明るく光ります。
電流制限抵抗をLED2個分共通にするとどうなるでしょうか。下の [1] がそれなんですが、こうすると順方向電圧の低い赤LEDの方へばかり電流が流れるので、緑LEDはほとんど光りません。[2] は、赤LEDとゲルマダイオードを直列にしてバランスを取ろうとしたものですが、今度は緑LEDに流れる電流が多くなりました。でも赤もそこそこの明るさにはなっています。同じ色・同じ型番のLEDならば複数個を並列にしてもだいたい等分に光るかもしれません。ただ、合計の電流が1個分の最大定格を上回る場合は、個別に電流制限抵抗を入れたほうが安全だと思います。
LEDを点灯させる電子工作では、トランジスタを使ってLEDの点灯・消灯をコントロールするのが普通です。下記は、キースイッチSW1を押している間だけLEDが点灯する回路です。トランジスタのベース〜エミッタ間の抵抗R2は誤動作を防ぐためのものです。これがないと、スイッチを押していないときはベースが宙ぶらりんで不安定な状態になります。R2を取り去ってスイッチの接点に軽く指をふれると、それだけでLEDがうっすら点灯します。
下に示した回路は、上記とは逆にスイッチを押している間だけLEDが消灯する回路です。
下記は50kΩのボリュームを使ってLEDの明るさを連続的に変える回路です。この回路は回路集の本に載っていたものですが、ボリュームにあまり大きな電流を流すのはよくないような気がします。
下はトランジスタのベース電圧をボリュームでコントロールしてLEDの明るさを変える回路です。これならボリュームにそれほど無理はかからないと思います。