スパイダーゲルマラジオに出力トランスをつないで、スピーカーが鳴らないか試してみました。結果は、蚊の鳴くような音ではありますが、一応スピーカーから音が出ました。
回路図は左記の通りです。ゲルマラジオの出力に20kΩ:8Ωの出力トランスと8Ωのスピーカーをつなぎました。この出力トランスは札幌の「ラジオ少年」から通販で購入したものです。アンテナ端子に電灯線アンテナ、アース端子に2mくらいのビニールコードをつないで聞いてみたところ、スピーカーから微かに音が出ました。静かな部屋で、スピーカの前10cmくらいに顔を近づけるとなんとか放送内容を聞き取ることができます。私の家は出力5kWの放送局(送信所)から直線で10kmくらいのところにあり、ゲルマラジオに電灯線アンテナをつないでクリスタルイヤホンで聞くと「まずまずの音量」で鳴ります。この程度の受信環境ではスピーカーを実用的な音量で鳴らすのは無理なのでしょうか。ちなみに、出力トランスなしで直接スピーカーをつないでもまったく音が出ませんので、基本的な考え方は間違っていないと思うのですが。
上の写真に写っているスピーカーはインピーダンスの切換えができる「32Ωスピーカー」です。当初、スピーカーのインピーダンスが高いほど音が大きくなると思ったので、このスピーカーを用いて4Ωから32Ωまで切り換えてみたのですが、音量にほとんど変化はありませんでした。オーディオ用の少し口径の大きなスピーカーをつなぐと、低音がよく出る分、若干聞きやすくなります。また、トランスの一次側には最初高周波のフィルター用として0.001μFのコンデンサを入れましたが、実験の結果あってもなくても同じだったので取り去りました。
本器の実体配線図と後面からの写真を下に掲げます。
(2006年9月15日)