ロクタル管の7B8を使った単球ペンタフレックスの実験をしました。ペンタフレックスって言ってもカメラのことじゃありません。ペンタグリッド真空管によるレフレックスラジオという意味です。スーパーヘテロダイン用の周波数変換管1本で再生検波と低周波増幅を同時に行なうラジオです。
試作にあたってはH氏のサイト「ポータブル・ラジオのページ」の記事を参考にさせていただきました。
回路図は上記の通りです。カソード、第4グリッド、第5グリッド、プレートから成る4極管で再生検波、低周波出力を第1グリッドへ入れて第2グリッドから出力を取り出します。
2mのワイヤアンテナをつなぐと、なんとかスピーカーを鳴らすことができました。2球ラジオで例えると、「6C4-6C4」くらいでしょうか。選択度は良好です。再生もちゃんとかかりました。
いつものように同調コイルはTRラジオ用バーアンテナ、同調バリコンと再生バリコンもTRラジオ用ポリバリコンです。出力トランスは6.3V用ヒータートランスで代用しました。電源は別項で紹介している「真空管ラジオ用電源器(その1)」をつなぎました。
通常、真空管の名前の最初の数字はヒーター電圧を表わしていますが、ロクタル管だけは例外で、6.3V管は7で始まる名前がついています。7B8のヒーター定格は6.3V, 0.3Aです。
なお、H氏によると、周波数変換管として一般的な6BE6や6SA7は、電極の構造が違うのでペンタフレックスには使用できないとのことです。
ブレッドボード上の配線図と試作写真を下に示します。
「ポータブル・ラジオのページ」に出ていた回路は真空管に6A7を用いてマグネチック・レシーバーを鳴らす仕様になっていました。私の試作機では回路定数などをかなり変更していますので、参考までに、この記事の元になったと思われる "1934 Short Wave Radio Manual" に載っていたペンタフレックスの回路図を掲げておきます。
(2005年9月23日)