ブレッドボードラジオ電源器の製作

電源器のボリューム交換

 手持ちの電圧可変式定電圧電源器 (メーカー品) の出力電圧調整ボリュームを多回転式のものに交換しました。これで細かい電圧設定がしやすくなりました。

 写真1

 上が電源器の写真 (ボリューム交換前) です。「STEREO MASTER」というブランドのPS-5という機種です。出力電圧は0.8〜24V可変式、出力電流は最大5Aです。30年くらい前に購入したものですが、故障もなく今も働いてくれています。前面パネルには電圧計と電流計が付いています。メーターの下の丸いツマミが電圧調整ボリュームです。

 私は電子回路の実験をするとき、通常は出力電圧をステップ式にスイッチで切り替えるタイプの電源器 (別項「トランジスタラジオ用電源器」など) を使っています。ほとんどの実験はこれで間に合うのですが、ときどき、中途半端な値の電圧が必要だったり、電源電圧を少し上下させて回路の状態をテストしてみたくなることがあります。そういうとき上記の電源器を出してくるのですが、ボリューム1回転で20V以上も変化するので、細かい調節はやりにくいです。

写真2 図1

 そこで、電圧調節ボリュームを10回転式のものに交換することにしました。上の写真左が最初に付いていたボリュームで、なぜか2連ボリュームの片側だけが使用されていました。抵抗値は10kΩです。右が新たに取り付けた多回転式のボリュームです。メキシコBOURNS社の3590Sという型番で、これも抵抗値は10kΩです。専用のダイヤル付きのものが秋月電子通商で1個1500円でした。

 形状や端子の配列は上右の図の通りです。多回転ボリュームは端子がタテに並んでいて、順番も普通のボリュームとは違います。どちらのボリュームも、シャフトを左へ回すとスライダー (端子2) は端子1側へ移動します。シャフトを右へ回すとスライダーは端子3側へ移動します。つまりシャフトを左に回しきった状態では端子1-2間がほぼ0Ω、2-3間が10kΩです。シャフトをぐるぐると10回転させて右端まで回しきると、1-2間が10kΩになります。大きさは、元のボリュームが直径が17mm、パネルに取付けたときの奥行きが15mmなのに対して、多回転ボリュームは直径が22mm、奥行きが21mmほどでしたが、なんとか同じスペースに収まりました。

 下にボリューム交換後の電源器の写真を掲げます。電圧計があるので、専用のダイヤルは使用せず、普通のツマミをつけました。また、シャフトが長かったので先端を5mmほど切断しました。ツマミ1回転あたり2〜3V程度の変化になります。これなら細かい電圧の調節も楽にできます。

 写真3

 上にも書きましたが、普段はこういうタイプの電源器を使うことはあまりありません。大きくて重いというのもありますが、いちいちボリュームを回して電圧を設定するのが面倒くさいからです。ラジオ雑誌などではボリュームによる電圧可変式電源器の製作記事を多く見かけますが、実際に使ってみると、決まった電圧をステップ式に切り替える方式のほうが使い勝手がいいように思います。

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