これまで製作した5極3極管の単球ラジオは、いずれも3極部で検波、5極部で低周波増幅するスタイルでした。今回は6U8Aを使って、これまでとは逆に5極部で検波、3極部で低周波増幅してスピーカーを鳴らす構成にしました。検波は3極管よりも5極管のほうが感度が良くなるし、6U8Aの3極部は中μで12AT7などと似た特性なので、出力管としてもなんとか使えるのではないかと考えました。
ところが、実際にやってみるとうまく動作しません。放送は受信できるのですが、音量ボリュームを上げるとピーピー発振してしまいます。部品配置や配線の仕方がまずいのかと思って何度も組み直してみましたが、どうしても発振を止めることができませんでした。結局、3極部カソードのバイパスコンデンサを取って増幅度を下げたらようやく静かになりました。
そういうわけで、本来の実力を発揮しているとは言えませんが、現状でも、ローカル局はバーアンテナのみでまずまずの音量で受信できます。
(2004年11月1日)