ブレッドボードラジオ電源回路

各種整流回路の実験

 いろいろなタイプの整流回路について、出力電圧の違いや一次電流との関係を調べました。実験に使用した電源トランスは、前項「電源トランスの負荷試験」で用いたものと同じです。

1. 半波整流回路

実験回路1

I 2
DCmA
V 2
DCV
I 1
ACmA
0267
252214
502023
751832
1001641

 最初に半波整流回路の実験をしました。二つの二次巻線を並列にしていますので、ACでの定格は15V,0.2Aということになります。RLと書いた抵抗は、固定抵抗器と可変抵抗器を組み合わせたものです。これを調節して出力電流(I2)を変えたとき、出力電圧(V2)と一次側のAC電流(I1)がどう変化するか調べました。
 結果は左の表の通りです。無負荷時には定格よりかなり高い電圧が出ますが、負荷電流が増えるにしたがってだんだんと低下し、定格電圧に近くなります。

 電源回路を設計する際、出力電圧もさることながら、どれくらい出力電流を取り出せるかも気になるところです。前項「電源トランスの負荷試験」で、トランスの二次巻線にAC定格電流を流したときの一次側AC電流は41mAでした。そこで、I1が41mAになるようなI2を最大出力電流とみなすことはできないでしょうか。今回実験した半波整流回路では、I2を100mAにしたとき、I1が41mAになりました。偶然なのか、AC値のちょうど半分です。

2. ブリッジ整流回路

実験回路2

I 2
DCmA
V 2
DCV
I 1
ACmA
0257
252312
502117
752022
1001927
1251832
1501737
1701741

 次にブリッジ整流回路の実験をしました。トランジスタ用の電源回路でもっともよく見かけるタイプです。
 同じ出力電流で比べると、半波整流のときよりも出力電圧が高くなります。また、一次電流が41mAになる時点での直流出力電流は170mAになりました。
 ある本に「ブリッジ整流で取り出せる出力電流はAC定格値の60%が相場」と書いてあるのを見たことがあります。「相場」というのは微妙な言い回しですが、170mAはこのトランスのAC定格値の85%ですから、トランスに少し無理がかかっているおそれがあります。

(追記 2005年9月26日)
 その後少し調べてみたところ、直流出力電流については、平均電流だけでなく、短時間に流れる大電流による巻線の発熱も考慮しなければならないとのことです。したがって、やはりAC定格の60%程度に抑えるのが妥当かもしれません。
(追記ここまで)

3. センタータップ両波整流回路

実験回路3

I 2
DCmA
V 2
DCV
I 1
ACmA
0267
252312
502117
751922
1001827
1251732
1501537
1701541

 2巻線を直列にしてセンタータップをマイナス出力にする整流方式です。真空管ラジオでよく見かける回路です。
 複巻線のトランスを実験のサンプルに用いた理由のひとつは、このタイプとブリッジ整流回路の違いを確かめたかったからです。結果は、出力電圧が少し低くなる点を除いて、ブリッジ整流回路とほとんど同じでした。

4. 半波倍電圧整流回路

実験回路4

I 2
DCmA
V 2
DCV
I 1
ACmA
0517
254417
504027
753637
853441

 トランスのAC定格電圧の約2倍のDC電圧が得られる整流回路です。最初の半サイクルでD1が導通してC1に充電し、次の半サイクルでC1の電圧とトランス巻線の電圧が加算されてC2に充電される仕組みです。名前に「半波」と付きますが、実際はACの全サイクルを利用する整流方式です。別項で「チャージポンプ」という昇圧回路の実験をしていますが、これの原理と似ていると思いました。

 そういうわけで、この回路のC1は普通の電源平滑用とは働きが違います。教科書には「ハイリップル用ケミコンを使いなさい」と書かれています。今回の実験では普通のケミコン(C2と同じもの)を使いましたが、特にトラブルはありませんでした。でも長時間の使用に耐えるかどうかはわかりません。
 出力電圧は半波整流のちょうど2倍、最大出力電流はブリッジ整流回路の半分になりました。

5. 両波倍電圧整流回路

実験回路5

I 2
DCmA
V 2
DCV
I 1
ACmA
0517
254417
504027
753637
853541

 これも倍電圧整流回路ですが、半波整流回路を2段重ねにしたような形をしています。C1、C2ともに普通のケミコンで大丈夫です。負荷試験の結果は、半波倍電圧整流回路とほとんど同じになりました。
 余談ですが、AC100Vを直接倍電圧整流して真空管ラジオの電源にする回路をたまに見かけます。私の実験では、コンデンサの容量を47μFにした場合、負荷電流50mAで約250VのDC電圧が得られました(半波でも両波でもだいたい同じ)。トランスを使わずに高電圧が得られるのはいいのですが、アースラインの処理が厄介なせいか、製作例はあまり多くないようです。

6. センタータップを用いたブリッジ整流回路

実験回路6

I 2
DCmA
V 2
DCV
I 1
ACmA
0517
254417
504027
753637
853541

 この整流回路は、通常はトランス巻線の中点およびC1,C2のつなぎ目をGND電位として、同じ大きさの正と負の電圧を出力する電源回路として用いられるものです。センタータップ両波整流回路を2段重ねにしたものと見ることもできます。今回は倍電圧整流回路との比較のために、トータルの電圧値を測定してみました。
 結果は、倍電圧整流回路とまったく同じでした。

 (2005年6月11日)

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