ブレッドボードラジオ学研電子ブロック

学研電子ブロック〜電子メトロノームほか

 学研電子ブロックを使って電子メトロノームの実験をしました。周波数の低いブロッキング発振回路で、一定周期で短い音が出ます。回路の形は別項「学研電子ブロック〜ブロッキング発振回路」で紹介した3タイプのうちの「タイプB」になります。

回路集No.22「エレクトロニックメトロノーム (イヤホン式)」

 イヤホンから一定の周期で「カッ、カッ、・・・・」という音が聞こえます。あまり大きな音ではありません。回路集の通りに組むと周期は約3.4秒になりました。これではメトロノームとしてはちょっとゆっくりすぎるのでR1とC1の定数を変えて、周期がどうなるか調べてみました。R1, C1ともに、小さいほど周期は短くなります。

R1(Ω)C1(F)周期(秒)
1M10μ3.4
1M0.50
560k10μ1.9
560k0.29

 図1

 上の回路は音が小さいですが、下記のように抵抗を1本追加すると音が大きくなります。この抵抗が大きいほど音の出る時間が長くなるようです。1kΩの場合は「カッ、カッ、カッ」、4.7kΩにすると「ブッ、ブッ、ブッ」、10kΩにすると「ブーッ、ブーッ、ブーッ」という感じの音になります。

 図2

回路集No.57「1石+ICメトロノーム (スピーカ式)」

 No.22の回路にICアンプをつないでスピーカーを鳴らすものですが、こちらは逆に周期が0.25秒とせわしないです。部品を変えてみましたがこれ以上ゆっくりにできませんでした。R1やC1だけでなく、R2やC2の値も周期に大きく影響します。それと、この回路は少し不安定なところがあり、ときどき周期や音色が微妙に変化します。部品ブロックの接触不良のせいでしょうか。

 図3a

 図3b

 下記は部品点数を減らして簡単にしたものですが、むしろこの方が安定して動作します。周期も0.7秒でちょうどいい感じです。C1 (1μF) は光実験60の部品です。

 図4

回路集No.55「1石+IC電子すいみん機」

 メトロノームの周期をゆっくりにして雨だれの音に似せたものです。こういう音を聞いていると眠くなるんだそうです。約3.5秒に1回「ポツ」という音が出ます。この回路ではC2はあってもなくてもほとんど同じです。C2を取ると上の回路と同じ形になります。

 図5a

 図5b

新回路No.4「周期可変式メトロノーム」

 これは解説書「学研電子ブロックのひみつ」に載っていた新回路のひとつです。本体内蔵の10kΩボリュームで周期を変えることができます。ボリュームを回すと、約5秒に1回「ポツ」と鳴る状態から、約15Hzで「トトトト・・・」と鳴る状態まで変化します。スライダー端子の電圧を測定すると0Vから4.1Vまで変化しました。電圧が高いほど周期は短くなります。0.47V以下では回路が動作しません。電圧と周期の関係は下表のとおりです。

VR電圧(V)0.50.60.70.8 0.91.01.11.2
周期(秒)4.81.60.890.64 0.520.440.370.31

 図6a

 図6b

 光実験60に入っている50kΩのボリュームを使って周期を可変する実験をやってみました。本体内蔵のボリュームは音量調整に使います。上の回路では出力の取り出し方がちょっと変わっているので、普通のやり方にしました。部品の数も減らしましたが、ちゃんと動作しています。調整範囲は上とほぼ同じです。

 図7a

 図7b

回路集No.64「エレクトロニックガン」

 電子メトロノームは周波数で言うと1Hz前後の発振回路ですが、この「エレクトロニックガン」はそれより少し高い数十Hzの発振回路です。「タタタタ」もしくは「トトトト」という音になります。アニメやゲームなどで聞かれる「マシンガンの音」ですね。回路の形はトランスのセンタータップを使用する「タイプC」です。トランジスタは2SC945が使われています。発振周波数は36Hzになりました。

 図8a

 図8b

 上記の回路はコンデンサがずいぶんたくさん使われています。周波数や音色の調整のためなのでしょうが、正直、こんなにいらないと思います。下は不要と思われるコンデンサをすべて省いた回路です。これでも特に問題はないような気がしますがどうでしょう。周波数は25Hzです。

 図9a

 図9b