学研電子ブロックを使って電子メトロノームの実験をしました。周波数の低いブロッキング発振回路で、一定周期で短い音が出ます。回路の形は別項「学研電子ブロック〜ブロッキング発振回路」で紹介した3タイプのうちの「タイプB」になります。
イヤホンから一定の周期で「カッ、カッ、・・・・」という音が聞こえます。あまり大きな音ではありません。回路集の通りに組むと周期は約3.4秒になりました。これではメトロノームとしてはちょっとゆっくりすぎるのでR1とC1の定数を変えて、周期がどうなるか調べてみました。R1, C1ともに、小さいほど周期は短くなります。
R1(Ω) | C1(F) | 周期(秒) |
1M | 10μ | 3.4 |
1M | 1μ | 0.50 |
560k | 10μ | 1.9 |
560k | 1μ | 0.29 |
上の回路は音が小さいですが、下記のように抵抗を1本追加すると音が大きくなります。この抵抗が大きいほど音の出る時間が長くなるようです。1kΩの場合は「カッ、カッ、カッ」、4.7kΩにすると「ブッ、ブッ、ブッ」、10kΩにすると「ブーッ、ブーッ、ブーッ」という感じの音になります。
No.22の回路にICアンプをつないでスピーカーを鳴らすものですが、こちらは逆に周期が0.25秒とせわしないです。部品を変えてみましたがこれ以上ゆっくりにできませんでした。R1やC1だけでなく、R2やC2の値も周期に大きく影響します。それと、この回路は少し不安定なところがあり、ときどき周期や音色が微妙に変化します。部品ブロックの接触不良のせいでしょうか。
下記は部品点数を減らして簡単にしたものですが、むしろこの方が安定して動作します。周期も0.7秒でちょうどいい感じです。C1 (1μF) は光実験60の部品です。
メトロノームの周期をゆっくりにして雨だれの音に似せたものです。こういう音を聞いていると眠くなるんだそうです。約3.5秒に1回「ポツ」という音が出ます。この回路ではC2はあってもなくてもほとんど同じです。C2を取ると上の回路と同じ形になります。
これは解説書「学研電子ブロックのひみつ」に載っていた新回路のひとつです。本体内蔵の10kΩボリュームで周期を変えることができます。ボリュームを回すと、約5秒に1回「ポツ」と鳴る状態から、約15Hzで「トトトト・・・」と鳴る状態まで変化します。スライダー端子の電圧を測定すると0Vから4.1Vまで変化しました。電圧が高いほど周期は短くなります。0.47V以下では回路が動作しません。電圧と周期の関係は下表のとおりです。
VR電圧(V) | 0.5 | 0.6 | 0.7 | 0.8 | 0.9 | 1.0 | 1.1 | 1.2 |
周期(秒) | 4.8 | 1.6 | 0.89 | 0.64 | 0.52 | 0.44 | 0.37 | 0.31 |
光実験60に入っている50kΩのボリュームを使って周期を可変する実験をやってみました。本体内蔵のボリュームは音量調整に使います。上の回路では出力の取り出し方がちょっと変わっているので、普通のやり方にしました。部品の数も減らしましたが、ちゃんと動作しています。調整範囲は上とほぼ同じです。
電子メトロノームは周波数で言うと1Hz前後の発振回路ですが、この「エレクトロニックガン」はそれより少し高い数十Hzの発振回路です。「タタタタ」もしくは「トトトト」という音になります。アニメやゲームなどで聞かれる「マシンガンの音」ですね。回路の形はトランスのセンタータップを使用する「タイプC」です。トランジスタは2SC945が使われています。発振周波数は36Hzになりました。
上記の回路はコンデンサがずいぶんたくさん使われています。周波数や音色の調整のためなのでしょうが、正直、こんなにいらないと思います。下は不要と思われるコンデンサをすべて省いた回路です。これでも特に問題はないような気がしますがどうでしょう。周波数は25Hzです。