前に作った6BH6-6AK6 2球ラジオの真空管を前後入れ替え、6AK6で検波、6BH6で電力増幅するラジオを実験してみました。検波回路は6AK6に合わせて回路定数を少し変更しました。出力回路は真空管を差し替えただけです。
本来とは逆の用途で使っているわけですが、これでもほとんど変わりなく聞こえます。スピーカー端子の出力電圧を測っても同じくらいです。違いといえば、受信周波数範囲が少し下がることぐらいでしょうか。この程度のラジオでは、真空管は何でもいいみたいですね。
回路図では出力管はシャープカットオフ型の6BH6になっていますが、リモートカットオフの6BJ6も試してみたので、両者の違いを表にまとめました。6BJ6の場合、カソード抵抗を470オームにすると6BH6とほぼ同じ増幅度になりました。ただしプレート電流は6BH6の2.8倍に増えます。
いずれの球もバイアスが浅いので、音量ボリュームを最大にすると増幅度が少し下がります。耳で聞いてもわかりませんが、入力オーバー(グリッドの電位がプラスになる)で歪が出ているのだと思います。実際には、ボリュームを少し絞った状態でも、静かな室内で聞くには十分な音量です。
なお、下表の記号については「双3極管単球ラジオの研究」のページを見てください。数値が二段になっているところは、上段が音量ボリュームを調節して検波出力電圧を0.5Vにしたとき、下段が音量ボリュームを最大にしたときの値です。
管種 | Rk Ω | Eb DCV |
Ep DCV | Esg DCV | Ek DCV |
Ip DCmA | eg ACV | ep ACV |
esp ACV | ep⁄eg | esp⁄eg |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
6BH6 | 1k | 137 | 136 | 135 | 2.48 | 2.48 | 0.50 1.57 | 4.79 12.1 | 0.147 0.388 | 9.58 7.71 | 0.294 0.247 |
6BJ6 | 1k | 139 | 138 | 136 | 4.32 | 4.32 | 0.50 1.64 | 2.91 8.56 | 0.085 0.270 | 5.82 5.22 | 0.170 0.165 |
470 | 137 | 136 | 134 | 3.20 | 6.81 | 0.50 1.68 | 4.97 14.6 | 0.152 0.474 | 9.94 8.69 | 0.304 0.282 |
(2004年8月8日)